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"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第10話

127の帰り

退避計画は、単に“全員をへす”だけでは済まなかった。

黒鉱の坑は所によって幅が異なり、作業両とが同に通れない区もある。127が斉にけば、付で滞留し、それ自体が危険になる。

藤本班は各班の位置を図へ落とし込み、い班から順に退避させる経を引いた。太田は入坑カードと勤務表を照し、当休みの者、勤務へ変わった者、途で別班へ移った者を分けていく。

私はの集所で使う点呼表を作った。

「今すぐ全員をすんですか」

太田が尋ねた。

「今は準備だ」

野部が答えた。

「今夜の数値が悪化した、の朝は作業を始めず、そのまま退避させます」

監督は会議の端にっていた。

「第4区画を封鎖したで、さらに全坑止ですか。1の損失は2400万円ですよ」

誰も答えなかったので、私は顔をげた。

「2400万円は、働けば取り戻せます」

監督が私を見る。

「127は戻りません」

「また最悪の話か」

「最悪になるに帰す話です」

野部は数字をへいた。

燃性ガスの断続昇。湧量は2で21%増加。微振は午だけで3回。

「どれか1つなら、経過観察という判断もあります」

彼は3つの数字を線で囲んだ。

「しかし同じ区画で、同にんでいます。朝までに改善しなければ、全員退避です」

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監督はを結んだ。

午、第4区画にい班から作業へ切り替えた。気を使う補修、溶接、エンジン器の部も止めた。誰も原因を断定していない。それでも“のため”を実際の順へ変えていく。

夕方、振計が4回目の変位を記録した。

湧量も、朝よりさらに2%増えている。

野部は夜勤責任者へ、坑内作業を最限にするよう命じた。監器だけを残し、員は通常の3分の1に減らした。

「の530分に最終判断をします」

会議が終わると、私は診療所へ寄った。肩の腫れは引き始めていたが、腕をげるとまだ痛い。医師は無理に現へ入らないよう言い、診療記録へ経過をきした。

宿舎へ戻り、妻の美へ話をかけた。

昨は設備を壊したことしか伝えられなかった。今は、を見たことから順に話した。

美は途で度もを挟まなかった。

「会社を辞めることになるかもしれない」

私が言うと、受話器の向こうで器を置く音がした。

『壊したことまで正しいとは、私も言えないよ』

「ああ」

『でも、あなたが理由もなくそんなことをするじゃないのはってる。帰ってきたら、全部緒に考えよう』

責めるでも、無条件に持ちげるでもない。その言葉で、ようやく自分が1ではないと分かった。

翌朝520分、私は鉱へ着いた。

空はまだ暗く、坑の照だけがく浮かんでいる。

野部はすでに監記録を確認していた。

夜にきな警報はていない。

しかしガス濃度は定せず、湧量は夜より6%増えていた。振計にも5回の記録が残っている。

野部は530分になると、無線を取った。

「本、坑内作業は始しません。残っている夜勤者を含め、全員をへ退避させます」

その声が各詰所へ流れた。

爆発も崩落も、まだ起きていない。

だからこそ、今なら127を歩いて帰せる。

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