"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第11話
あと1
退避は第4区画にい班から始まった。
具は通を塞がない位置へ置き、両はエンジンを切る。各班は2列を保ち、指定された連絡坑を通ってへ向かう。
る者はいなかった。
急げという言葉も使わない。焦りは狭い坑で転倒をみ、ろの列まで止めてしまう。
では私と太田が点呼を担当した。
第1班、18。
第2班、21。
第3班、16。
班が名を読みげ、本が返事をする。私は確認した名へ赤い印をつけた。
9を過ぎた頃、へ戻った数は96になっていた。
残り31。
第4区画かられた備班と、排設備を監していた班が最になる。
その、無線から報告が入った。
『第2連絡坑のにが広がっています』
藤本班が図をく。
予定していたは、湧が流れ込む所にい。
「第3斜坑へ回す。12分余計にかかるが、元は乾いている」
監督がを挟んだ。
「を1列ずつ通せばいい。をかける方が危険だ」
野部は首を振った。
「退避に経を何度も変える方が混乱します。全員、第3斜坑です」
指示が無線で伝えられた。
待つ12分はかった。坑から吹くに、よりい属臭が混じっている。
936分、備班がへた。
班が点呼を始める。
1ずつ返事が続いたが、最に数字がわなかった。
「17のはずが、16しかいない」
太田が勤務表を見直す。
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「誰ですか」
「瀬です。休憩所に残ったかもしれない」
列のろで、誰かが坑へ向き直った。
藤本班が腕を広げる。
「戻るな!」
「でも、瀬がに――」
「現位置が分からないまま戻れば、捜すまで方が分からなくなる」
野部が入坑カードの端末を確認した。
瀬のカードは、まだ“坑内”と表示されている。ただし坑内の読み取りをすべて通るわけではなく、正確な位置までは分からない。
「各班へ無線。瀬健太、34歳。流していないか確認してください」
返事が次々に入る。
第1班、いない。
第2班、いない。
第3班、いない。
私は点呼表を握った。あと1を確認するまでは、126全員がたことにもがない。
坑の奥から、い音が聞こえた。
にいる私たちにも届く、い音だった。
作業員たちが坑を見る。
野部は無線へ呼びかけた。
「残っている班、現を報告してください」
『排班、第3斜坑をがっています。あと7分です』
「瀬は緒ですか」
返事まで数秒かかった。
『確認します』
雑音の向こうで、複数の声がなった。
『いました。瀬はうちの列にいます』
備班の作業途で排ポンプの異常を見つけ、そのまま排班へ流していた。しかし班を移った報告が、点呼表へ反映されていなかった。
堵する声ががりかけたが、野部が止めた。
「姿を確認するまで、点呼は終わっていません」
7分、最の列が坑から現れた。
ヘルメットのかりが1つずつへる。
瀬は列のほどにいた。自分のせいで騒ぎになったとり、何度もをげようとした。
「謝るのはだ。まず名を」
私が言うと、彼ははっきり返事をした。
127目。
私は点呼表の最の空欄へ印をつけた。
午952分。全員退避完。
その瞬、元がから突きげられた。
何かが反射に面へをつく。坑の照がきく揺れ、の奥から岩同士が擦れるい音が響いた。
野部が叫んだ。
「全員、坑かられてください!」
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