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"三日待て――命を懸けて起爆盤を粉砕した現場主任、120人を救い500億の黄金を暴く" 第15話

蛇の抜け殻

崩落から週が経過した。

第区画の周辺は、京から派遣された質環境学の専チームと、型による瓦礫の撤作業がめられていた。

坑を塞いでいた数百トンの巨岩の隙から、隔操作式の防爆クローラー探査ロボットが投入され、坑部の次元レーザースキャンと気サンプリングが実施されていた。ち入り禁止区域を示す黄いテープの側で、酒井と藤本、太田のは、移指令のモニターを凝していた。

「――坑内メタン濃度、〇・パーセント以に。硫化素、検限界未満。気流の循環は定しています」 オペレーターの報告に、野部が頷いた。 「ロボットのカメラを最解像度に切り替えろ。切羽の奥、断層破砕帯の崩落断面を映しすんだ」

モニターのノイズがれ、輝度ハロゲンライトに照らしされた底の映像が映しされた。 そこは、かつて発破が予定されていた第区画の切羽から、わずかメートル奥の点だった。井から数メートルにわたって岩盤が抉り取られ、巨なドーム状の空洞が現している。

その岩肌を見た瞬、指令のにいた質調査主任が「ああっ!」と絶叫にい声をげた。

「カメラをへ振れ! ズームだ、最まで拡しろ!」

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画面がきく寄る。 押し潰されたの粘板岩と頁岩の断裂面に、ライトのを浴びて、ギラギラと眩い黄の輝きを放つ鉱脈がしていた。本や本ではない。の太ももほどもある純の英の割れ目に、無数のの糸と粒が、網目のようにびっしりと絡みついていた。

「……英含鉱脈だ」誰かが息を呑んだ。

質主任が震える指で画面を指差した。 「肉でこれほどはっきりと自然が確認できる鉱脈など、現代の本の鉱ではあり得ない……! サンプル岩の速報値がました! の平均品位、鉱トンあたりグラム!」

「グラム……!?」太田が目を剥いた。 現代の商業において、鉱トンあたりグラムからグラムのが含まれていれば「超優良鉱」と呼ばれる。グラムという数字は、かつてを誇った菱刈鉱の最富鉱帯に匹敵する、まさに文学な超品位だった。

「推定される埋蔵規模は……なく見積もっても数百億円、発計画の度によっては百億円を優に超える国級の鉱脈です!」

内が歓声とどよめきで爆発した。技術者たちが抱きい、肩を叩きっている。 だが、酒井の線は、その黄の鉱脈の直に空いた、奇妙な形状の空洞に釘付けになっていた。

崩落した巨な岩盤の隙。

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鉱脈を包み込むようにしてるその空洞は、まるで巨な蛇がをい抜け、古い皮を脱ぎ捨ててっていったかのような、滑らかな楕円形のカーブを描いていた。

――巣を移すから、待ってくれ。

あの夜、ので響いた声が、酒井の奥に鮮やかに蘇った。 酒井は鳥肌がつのをじた。 もしあの、の命令通りに発破をしていたらどうなっていただろうか。 キロの含爆薬の炸裂は、充満していた圧メタンガスに引し、この空全体を猛烈なと圧力で焼き尽くしていたはずだ。岩盤は無秩序に砕され、の鉄砲によってこの奇跡の富鉱帯はの底へと沈み、永久にの目に触れることなく封印されていただろう。

は、を拒絶したのではなかった。 ただ、自然の呼吸を無し、己の欲望とスケジュールのためだけに岩肌を傷つけようとする傲を戒めたのだ。そして、危険にを澄まし、ち止まる勇気を持ったに対してだけ、の沈黙のに、その懐の奥くに眠る至宝を差ししてくれたのだ。

「酒井さん……」太田が横で涙ぐんでいた。 「俺たち、とんでもないのにってたんですね……」

「ああ」酒井はさく頷いた。 「だが、が本当に守りたかったのはじゃない。俺たちの命だったんだ」

酒井はモニターのにち、誰にも見えないように、黄の断面へ向けて静かにをげた。

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