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"「飯抜き」と言われたので、夫との生活を全部やめました" 第8話

綾野が毎計を支えていた詳細な計簿データ。 裕介が会社を祥事で辞めたことを示す興信所の報告。 隠し持っていた消費者融からの督促状の束。 そして、「今からおは飯抜きだ」と裕介が鳴り散らし、義父母がそれに賛同した義実での鮮な録音データ。

「……裕介さん」調委員の初老の男性が、厳しい調で告げた。「客観な事実を見る限り、あなたが働かず、庭の経済基盤を方に破壊し、さらに配偶者に対して著しい精神苦痛を与えていたことはです。これ以の争いは、あなたにとって利な判決をねるだけですよ」

裕介はガタガタと震えながら、項垂れるしかなかった。

結局、調はわずか回で成した。

婚の成。 裕介が綾野に対して支払うべき慰謝料および替の返還については、裕介に支払い能力がないため、実のと建物に設定されていた第順位の担保権を綾野側が仮差し押さえし、将来の売却益から優先に回収する公正証が作成された。

自宅マンションは解約され、裕介は着の着のままで義実へと制送還された。

だが、義実にもはや平穏な活など残されていなかった。

担保に入っていた実のは、債権者からの返済期限を迎え、競売の続きが容赦なく始された。

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を失う恐怖に直面した修造と登紀子は、すべての元凶である裕介を連連夜、激しい声で責めてた。

「おが会社のを使い込み、嫁に逃げられたせいで、わしらの老が全部めちゃくちゃだ!」 「何がファイナンシャルプランナーよ! 働かない怠け者のくせに! 今からどんな仕事でもいいからって稼いできなさい!」

かつて息子を甘やかし、嫁を虐げるために結託していた親子関係は、が尽きた瞬に醜い罵りいの獄へと変貌していた。

修造のりいの伝で、裕介は郊の解体事現での肉体労働に放り込まれた。

、エアコンの効いた部でぬるま湯のサラリーマン活を送り、退職は半以もベッドでゴロゴロと過ごしていた裕介の体は、初で鳴をげた。真の炎、いコンクリートガラを運び、にまみれてツルハシを振るう過酷な労働。全の筋肉痛と激しい疲労で「もう休ませてくれ」と泣きつく裕介を、修造と登紀子は「休んだら当がないだろうが! 飯をうな!」と叩き起こして現へ追いてた。

かつて自分が妻に向けて放った「飯抜き」という呪いの言葉が、そっくりそのまま、自らの両親から自分自へと突き刺さるブーメランとなっていた。

婚届が正式に受理されてから半の。

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都のビジネスを見ろす層マンションの階。綾野は、しく借りたLDKの部のリビングで、淹れたてのアールグレイのりをゆっくりと楽しんでいた。

向きのきな窓からは、澄み渡った青空がどこまでも広がっている。

部のには、彼女が自分の収入でつつ選んだ、シンプルで質な欧具が並んでいた。無垢材のダイニングテーブル、肌触りの良いリネンのカーテン、そして斎スペースには、最の資産運用シミュレーションソフトがインストールされたパソコンが静かに佇んでいる。

「綾野さん、おめでとうございます! 今期の個保険・法の規獲得、支社でぶっちぎりのトップですよ!」

先週末、支社の成績優秀者表彰式で、支社からトロフィーと封を渡されたの輩たちの拍が、よくの奥に残っていた。

夫の借やモラハラに怯え、活費を面するために擦り減っていたエネルギーのすべてを、自分の仕事とキャリアに注ぎ込めるようになった結果だった。顧客からの信頼もくなり、先には難関とされる位のファイナンシャル・コンサルタント資格の次試験にも発で最得点格を果たした。

先だけで何もしなかった元夫とは違い、彼女は自分ので、自分の力で、本物のプロフェッショナルとしてのを切り拓いていた。

蔵庫をければ、彩り豊かな野菜と、質な黒毛牛の赤肉が綺麗に並んでいる。

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