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"両親を亡くした私が旅行から帰ると、実家が消えていた" 第10話

修夜は、母である私にも見せたことのない、徹で計算い男の顔をしていた。

「お母さん、配しないで。俺はずっと見てたんだ。お父さんとあの祖父母が、おばあちゃんとお母さんに何をしてきたか。おばあちゃんのエプロンがネットで売られていたのを見た、俺ので何かが完全に切れたんだよ」

修夜は登記続きに必な類を鞄から取りし、署名と実印の押印を淀みなく済ませた。 「産の名義を俺に移すための相続税と登記費用は、おばあちゃんから昔もらった教育資の残りで全部払える。……お母さん、しだけ待ってて。俺が、あいつらに本当の『落とし』をつけてやるから」

息子の背に宿る揺るぎない覚悟を見て、私はそれ以何も言えなくなった。 かつて母に守られていたさな子どもたちは、いつのにか、理尽な悪から母を守るために戦えるへと成していたのだ。

が吹き抜けるの曜、雅也から私のスマートフォンに狂乱のメッセージが届いた。 『今すぐ実に来い! 修夜が狂った! 変なことになってる、く止めろ!!』

何が起きたのか胸騒ぎを覚えた私は、彩とともにタクシーをばして義実へと向かった。 閑静な宅の角、義実のに到着した瞬、私たちのを劈いたのは、響きのようなの轟音だった。

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「ガガガガガッ! バキバキバキッ!」

巨な黄いショベルカーのアームが、義実の階の根を豪に引き裂いていた。 瓦が砕け散り、埃がいがる。敷を取り囲むように事用の防音シートが張り巡らされ、数台の型ダンプカーが廃材を次々と荷台に積み込んでいた。

その景の真んで、義母の敏子が面にへたり込み、髪を振り乱して泣き叫んでいた。 「やめてえええ! 私のを壊さないでえええ! 誰か警察を呼んでえええ!」 作業を着た雅也も、解体業者の現監督の胸ぐらを掴もうとして、屈な作業員たちに取り押さえられていた。 「てめえら、何の真似だ! がいるのにを壊す奴があるか! 事を止めろ!」

「何の真似かって? 自分の持ちの解体事ですよ」

砂埃の向こうから、スーツ姿の修夜が平然とした取りで歩みてきた。 そのには、法務局の発した最の産登記簿謄本と、正規の解体事契約が握られていた。

「し、修夜……!? お、何やってんだよ! 正気か!?」雅也が絶叫した。

修夜はややかな差しで、父親と祖母を見ろした。 「正気配だよ。このと建物は、じいちゃんの遺言によって正当に俺が単独相続した。登記も先週完して、法な所権は百パーセント俺にある。俺の所物を、俺のでどう処分しようが、俺の完全な自由でしょ?」

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「な、何を言ってるの修夜ちゃん!」敏子がいつくばるように修夜のズボンの裾に縋り付いた。「ここは私とお父さんが守ってきたなのよ! 私のむ所を奪う気なの!?」

修夜は酷にそのを払いのけた。 「む所? おかしいですね、おばあちゃん。あなたたちは、お母さんの実を解体した、何て言いました? 『やっとお荷物のが片付いた』『謝してほしいくらいだ』って笑い転げてましたよね?」

敏子の顔が引き攣った。

「お母さんがどれほどしんでいたか、お父さんがどれほど酷に母さんを追い詰めていたか、俺と彩はずっと見てたんだよ。のを勝にで潰しておいて、自分のだけは守られるとでもってたの? 因果応報って言葉、じいちゃんの葬式で学ばなかったのかよ!」

修夜の号が、の轟音を突き破って響き渡った。 「やめろ修夜! 俺は父親だぞ!」雅也が顔を真っ赤にして鳴り散らした。「親父の遺産はおだけのものじゃない! 俺たちにもむ権利があるはずだ!」

「権利? 残だけど、じいちゃんの遺言に『配偶者居権』の設定は切記載されていなかったよ。弁護士を通じてヶに退通を送ったはずだけど、無したのはそっちだろ? 法占拠者に対して実力使で解体をめるのは、法に何の瑕疵もない」

ショベルカーの巨な爪が、義実のリビングの柱を真っつにへし折った。

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