"凍える孫と消えた家" 第6話
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完結第14話
1000万円のハワイ旅行を贈ったら、私だけ家族から外されました
亡き夫との夢を叶えるため、息子一家と両家の親が参加するハワイ旅行に一千百二十万円を支払った静江。ところが出発直前、息子の健太から「行くのは妻の両親だけ。もう連絡しないでほしい」と告げられる。六年間続けてきた住宅ローン援助や孫の送迎まで当然のように扱われていた静江は、息子の希望どおり、すべての支援を打ち切った。 息子夫婦がハワイを満喫している間、静江のもとに旅行代理店から精算書が届く。そこには、健太が二か月前から母を旅行者名簿から外し、「重度の認知症と末期癌の疑いがある」と虚偽の申告をしていた記録が残されていた。 さらに義弟からの電話で、健太が静江を判断能力のない高齢者に仕立て、成年後見人として財産管理権を握ろうとしていることが判明する。狙われていたのは、資産価値八千万円の自宅と三千万円の老後資金。しかも計画には、嫁とその父親、虚偽の診断書を作った医療関係者まで関与している疑いがあった。 静江は弁護士と任意後見契約を結び、正常な認知機能を証明する診断書と旅行代理店の通話記録を確保する。そして帰国した息子夫婦を待っていたのは、止められた送金、返送された孫の荷物、そしてホテルのテーブルに並べられた逃げ場のない証拠だった。家族旅行から排除した母が、自分たちの計画をどこまで知っているのか――二人がそれを理解した時、作り上げた“幸せな家族”の姿が崩れ始める。嫁姑|親不孝|親子関係2.2万字5 22 -
完結第13話
30万円を止めた日
手術当日、夫から届いたのは見舞いの言葉ではなかった。 「病院へ行ったところで治るわけじゃないだろ」 その直後、私名義の家族カードで高級温泉旅館の二十一万円が決済された。夫は義母との旅行を楽しみ、SNSには《嫁が入院して自由になった》と投稿していた。 六十日間の入院中、夫も義母も一度も見舞いには来なかった。ところが夫は私の会社へ押しかけ、私名義のマンションを勝手に売却査定へ出していた。 さらに調べると、五年間送り続けた義母への月三十万円は、生活費ではなく投資用マンションの購入資金に流れていた。総額は二千百万円。 退院した朝、ようやく夫から電話が来た。 「母さんに毎月渡してた三十万円、なんで止めたんだ?」 私はその一言を聞き、夫婦として残っていた最後の線を静かに切ることにした。嫁姑|夫婦|介護|修羅場1.9万字5 676 -
完結第15話
離婚した元夫は、私の再婚相手を知らない
離婚が成立した直後、警察官の元夫は私を見下して笑った。 「四十の女医なんか、誰も拾わない。せいぜい他の男を探せばいい」 私はその言葉どおり、裁判所の外で待っていた黒塗りの車へ乗り込んだ。後部座席にいたのは、かつて私が十四時間の手術で命を救った男性――そして元夫が勤める県警の頂点に立つ警察本部長だった。 その翌日、元夫の若い恋人から届いた一枚の写真に、不自然な公費精算の印が写り込んでいた。さらに若手刑事が現れ、二千万円を超える捜査費横領と、県警内部の隠蔽を告発する。 ところが、その夜。緊急手術を要する重傷者が病院へ運び込まれた。 血まみれでストレッチャーに横たわっていたのは、つい数時間前まで私を嘲笑していた、元夫の恋人だった。夫婦|真実|裡の顔|修羅場|不倫2.2万字5 331 -
完結第16話
退職金を狙った息子夫婦と、亡夫の最後の記録
三十八年勤めた病院を退職した夜、久美子は息子夫婦から一枚の振込用紙を差し出された。 金額は、退職金の全額にあたる千八百万円。 「孫の将来のため」と迫られた久美子は署名を拒み、亡夫が残した通帳を調べ始める。すると、死後も三年間続いていた謎の送金と、《健太には知らせるな》という赤い文字が見つかった。 さらに孫本人は、息子夫婦が語る私立高校も医学部も望んでいなかった。 家族のために用意されたはずのお金は、いったい誰の借金を埋めていたのか。亡夫の署名が入った二通の承諾書、銀行へ持ち込まれた偽の委任状、そして貸金庫に隠された最後の手紙。 久美子が送金を止めた瞬間、息子夫婦が長年隠してきた金の流れが、静かに崩れ始める。親不孝|絶縁|親子関係|退職金|金銭問題1.1万字5 777 -
完結第16話
貧乏嫁と見下されていた私、義姉の結婚式で本当の名前を呼ばれました
義姉の結婚式に出席した千鶴は、義母と義妹から「貧乏な内職嫁は一族の恥」と親族写真から外され、式場を追い出されそうになる。六年間、服の縫製で小遣いを稼ぐだけの女だと見下されてきた千鶴は、反論せず静かに控室を去ろうとした。 だが、純白のドレスをまとった花嫁が彼女を呼び止め、その正体を明かした瞬間、義家族の顔色が一変する。千鶴は世界的ブランドの創業者であり、経営難に陥った義父の縫製工場が命運を託す、一億円超の契約を審査する人物だった。初めて彼女の名前を呼んだ義父に、千鶴が下した判断とは――。兄弟姉妹|嫁姑|修羅場2.4万字5 62 -
完結第12話
万引きを疑われた私に、警備員が「六万円で見逃す」と言ったので父に電話した
ロンドンから帰国した紗季は、父が経営するショッピングモールを客として訪れた。ところが突然、身に覚えのない万引きを疑われ、警備室へ連行される。鞄から出てきたのは、見たこともないネックレス。さらに警備員は「六万円払えば見逃してやる」と、用意済みの自白書を突きつけてきた。 だが彼らは知らなかった。紗季が次期経営幹部として帰国した、社長の娘であることを。そして父への一本の電話をきっかけに、隠しカメラの映像、消された記録、何十人もの被害者が浮かび上がる。これは警備員の小遣い稼ぎではない。モールそのものを奪うため、会社の中枢で仕組まれた巨大な罠だった――。真実|金銭問題|修羅場2.1万字5 24 -
完結第12話
浄水器の異物から、夫の秘密が暴かれた
八か月前から原因不明の頭痛と吐き気に悩まされている美央。病院を巡っても異常は見つからず、夫・公平と義母・悦子は、仕事を辞めて療養するよう優しく勧めていた。父から相続した自宅と賃貸ビルの管理も夫に任せればいい――二人の気遣いを信じ、美央は自分の心が弱いせいだと思い始めていた。 ところがある日、交換したばかりの浄水器が異常を知らせる。点検に訪れた作業員が内部を開けると、正規のカートリッジは別物とすり替えられ、飲料用ではない物質が詰め込まれていた。さらに玄関の開錠記録と防犯映像から、美央の出張中に工具袋を持った義母が二時間近く家へ入っていたことが判明する。 安全な場所へ避難した途端、八か月続いた症状は急速に消えていった。分析で検出されたのは、長期間摂取すれば臓器に障害を残す危険のある特殊な工業薬品。その入手記録には、妻を心配し続けていたはずの公平の署名が残されていた。 多額の借金を抱えた公平は、美央の判断力を奪い、父の遺したビルを処分するための委任状まで準備していた。しかし押収された端末を調べると、計画は財産だけでは終わっていなかった。生命保険の受取人変更まで相談していた相手は、美央が体調不良について最も信頼し、何度も助けを求めていた人物だった。夫婦|真実|真相|修羅場1.8万字5 126 -
完結第16話
大晦日、義実家の60億円計画を知った
大晦日の夜、義実家の二階から母とビデオ通話をしていると、突然その表情が凍りついた。 「南、声を出さないで。お父さんが裏口まで迎えに行くから」 直後、私は義父の書斎から漏れる夫の声を聞いた。二人は私の実印を盗み、私が代表を務める資産管理会社の権限を書き換え、約六十億円の預金を破綻寸前のリゾート事業へ流そうとしていた。 私は結婚指輪も荷物も置いたまま裏口から脱出し、その夜のうちに全口座を凍結。二十三億円の普通預金と三十五億円の定期預金を、夫の手が届かない別銀行へ移す手続きを終えた。 これで資産は守れたはずだった。 ところが銀行担当者は、夫が持参すると告げていた書類の中に、父の署名入り《債務保証承諾書》があったと明かす。その印鑑証明書は偽物ではなく、三か月前に正規発行された本物だった。 夫はいつ、父の印鑑証明を手に入れたのか。そして十三年間の結婚生活の裏で、どこまで周到に黒川家を破滅させる準備を進めていたのか。嫁姑|夫婦|真相|修羅場2.4万字5 392 -
完結第11話
100人宴会を潰した義妹に、店主の私が請求書を出した日
土曜日の午後六時半。海鮮料理店「魚心」の大広間には、百人分の御膳が並んでいた。けれど、開宴時刻を三十分過ぎても客は一人も現れない。 幹事を務める義妹へ電話すると、返ってきたのは笑い声だった。 「魚臭いから、焼肉屋に変更したの。身内なんだから許してよ」 しかも義妹は三日前に別会場を予約しながら、前日まで「百人分を用意して」と念を押していた。損害額は五十三万六千円。店主の菜緒が契約書に基づいて請求すると、夫まで「妹から金を取る気か」と彼女を責め始める。 ところが翌日、同窓会の会計担当者が店を訪れ、菜緒の前に二枚の領収書を並べた。参加者から集めた会費と、焼肉店へ実際に支払われた金額が、二十五万円も食い違っていたのだ。 さらに見つかったのは、「魚心」の印が押された五十万円の助成金申請書。 菜緒が一度も見たことのないその書類は、なぜ義妹の個人口座を振込先にしていたのか。そして店の印鑑を持ち出せた人物は、いったい誰だったのか。兄弟姉妹|裡の顔|真相|修羅場1.6万字5 866