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"兄の結婚式に、実の妹の席だけありませんでした" 第9話

稼いだ料袋は封を切らずにそのまま父の枕元に置き、りない分は子叔母さんにをげてて替えてもらった。

「お兄ちゃんが無事に就職できれば、族は助かるから」

そう信じて、擦り切れたスニーカーを履き潰し、同代の友たちが楽しむコンも卒業旅もすべて諦めた。成式の振袖すら作らず、ただひたすらに働き続けた。

「あんたがをにしてしたで学をた幸介が、社会になって計が落ち着いた途端、志保さんは周囲に何て言いふらしたとう?」子叔母さんは吐き捨てるように言った。「『理は勉嫌いだから学をやめた』『あの子は昔から根気がなくて』だとさ! あんたが恩を着せまいと黙っていたのをいいことに、自分たちのプライドを守るためにあんたを落第に仕てげたんだよ!」

ノートを抱きしめたまま、私はけなかった。

父のいた乾いた数字の羅列が、私が彼らのために捧げた青の墓標のように見えた。

彼らは忘れたのではなかった。都が悪かったのだ。兄の「派な卒エリート」という板が、妹の学業放棄と過酷な労働という犠牲のに成りっていたという事実を、認めることができなかったのだ。

「あんたは優しすぎるんだよ」子叔母さんは私の肩を抱き寄せ、く言った。

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「して笑ってることが優しさじゃない。そんな連に、これ以あんたのを好き勝にき換えさせちゃいけないよ」

叔母が帰った、私はスマートフォンの画面をいた。

連絡先から「幸介」を選び、だけメッセージを打ち込んだ。

『の夜、もう度に来て。話があります』

送信ボタンを押すと、すぐに「解した。必ずく」と返信があった。

妹がりを鎮め、族の絆を取り戻すための妥協案をしてくれるとでもっているのだろうか。その甘い勘違いを、私は根底から打ち砕くつもりだった。

翌の夜分。約束通り、幸介がのシャッターをくぐって入ってきた。

その表には、回のような怯えの裏に、どこか「妹なら最は許してくれるはずだ」という卑しい期待が滲みていた。

「理、昨はゆかが迷惑をかけたんじゃないか? あいつ、しい詰めるところがあって……」

「座って」

私は兄の言葉を遮り、たくパイプ子を指差した。兄が腰をろすと同に、私は作業台の引きしからあの古い学ノートを取りし、兄の目のの机のに音をてて置いた。

「……何これ?」

兄は怪訝そうに眉を寄せ、褪せた表を見つめた。

「けて。平成ののページを見て」

兄は恐る恐るを伸ばし、ページをめくった。最初は用品の買いしや費の記録が並んでいたが、父の事故の記述を境に、赤インクの文字が急増する。

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そして、兄の指先がピタリと止まった。

『幸介 期授業料』——その横に記された、『理より学費補填』の文字。

めくっても、めくっても、現れるのは私の名だった。

「これ……何だよ……」

兄の喉から、掠れた声が漏れた。顔から急速に血の気が引き、気へと変わっていく。

「私のおだよ」私はを交えず、淡々と事実だけを告げた。「お父さんが倒れて、あんたの学の学費が払えなくなった、私がを辞めて昼夜働き詰めで稼いだお。お母さんが、あんたには内緒にしておこうって言ったから、私は今まで言も言わなかった」

「俺は……らなかった……そんなの、母さんから言も……」

「らないはずがないでしょ!」

私の鋭い声が、狭い作業に鳴のように響いた。兄の肩がきくねがった。

「あんたはろうとしなかっただけよ! 父親が働けなくなって、どうして自分の学費が予定通り引き落とされ、何自由なく就職活ができたのか、疑問にわなかったの? 歳の妹が毎のように疲れて帰ってきて、がアカギレだらけになっていたのを、目ので見ていたはずよ!」

兄は机のに両をつき、刻みに震え始めた。

「私は恩を着せたくなくて黙っていた。族が助かるならそれでいいとってた。でも、お母さんとあんたは何をした? 計が持ち直したら、私の過を『勉が嫌いで勝に学を辞めた落ちこぼれ』にき換えた。

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