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"妊娠八か月の私に姑は四十人分のおせちを作らせた" 第3話

払われていなかった保険料

私は《割烹さかき》の取締役になった覚えはなかった。しかし登記を確認すると、から取締役として名が載っていた。毎万円の役員報酬が支払われていることにもなっている。私の座に入っていたのは、活費として渡される万円だけだった。

社会保険料と保険料は報酬から控除された形になっているのに、会社は数か分を滞納していた。私が会社を辞めた扱いにされた付は、入院のか。資格喪失届には私の署名に似た文字があった。

父は自分の顧問税理士へ丸投げせず、まずの担当税理士へ正式な説を求めた。税理士は幸子から「嫁も族役員として働いている」と聞き、に度、確認を郵送したという。その郵便はすべての所へ届き、私は見たことがなかった。

健太は病へ来ると、族会社ではよくあることだと言った。

「役員報酬はのだ。里奈だって賃も費もかかってないだろ」

「賃を払っていないのは、あなたたちも同じよ。しかも建物は私の実のもの」

「結婚したんだから、おの実の援助は夫婦への援助だ」

私は初めて録音ボタンを押した。健太が私の役員報酬をの資に回したこと、産準備を借りたこと、保険の資格喪失届を母親が処理したことを、自分ので話すよう質問した。

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彼は途で録音に気づき、スマートフォンを奪おうとした。病へ入ってきた護師が止めると、「妻と話しているだけだ」と鳴った。病院は面会を制限し、以は私の許がなければ病棟へ入れないことになった。

私はそののうちにつの続きをした。共同座から自分名義の貯を移し、健太が持つ代理カードを止する。母子帳の再交付を相談する。そして会社役員としての登記と保険続きについて、政士と社会保険労務士へ確認を依頼する。

父はのや気を止めなかった。急に営業を止めれば従業員と予約客まで巻き込む。代わりに、翌から父の会社が代払いしていた建物保険、警備費、業務用両のリース料を、契約どおり借主負担へ戻す通をした。

幸子は親戚へ《持ちの娘が妊娠を盾に嫁ぎ先を潰そうとしている》と連絡した。

翌朝、私の病へが届いた。差は健太ではない。を辞めた元板の名だった。

カードには、こうかれていた。

《庫のに、あなた名義の通帳が冊あります》

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