"妊娠八か月の私に姑は四十人分のおせちを作らせた" 第9話
消えた設備
融資対象の設備番号を追うと、凍庫と真空包装は実していた。ただし設置先はKフーズでも《割烹さかき》でもなく、県の品だった。名義はが購入し、その直に古品として売却されている。
売却代千百万円は、健太個の投資座へ入っていた。彼は妹の事業を助けるためではなく、融資と設備売却を利用して投資損失を埋めていた。真由も会社設資を受け取ったが、千百万円の全体像はらなかった。
真由は母と兄を守るため、最初は私たちを責めた。だが自分の会社が架空設備取引の受取先として調査され、駅ビルとの契約を失う能性をると、兄とのメッセージを提した。
《義父の会社印は俺が用する》《里奈は会にしておけばも疑わない》《返済はの売と親父の援助で回せる》
健太は、族の援助を返す必のない資だとっていた。父の会社、私の報酬、母の産準備、の売。そのすべてを、自分がかしてよい族の財布と考えていた。
父はへ保証無効を正式に申し入れ、刑事の判断は専へ委ねた。同に、の建物について契約更をしない方針を通した。ただしかまでの営業と、従業員が別会社でを引き継ぐ協議は続ける。
幸子は初めて、息子へりを向けた。
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自分のまで失うとったからだ。彼女は調で、すべて健太がしたことで、自分は嫁を厳しく指導しただけだと主張した。
私は母子帳を取りげた録音、虚偽の育児相談、役員報酬の通帳を提した。
「息子に騙された部分と、自分で私を傷つけた部分は別です」
幸子は黙った。
を継ぐ
かの猶予期、宮本と従業員たちはを引き継ぐ計画を作った。父の会社はしい賃貸契約を直接従業員側と結び、賃を相よりしく設定するかわりに、帳簿公と保証を求めた。
幸子は自分が創業者の妻だと反対したが、の法は債務理へ入り、営業権も設備も自由に使える状態ではなかった。しい名は《旬菜みや》。幸子の姓も、父の会社名も残さなかった。
私は資しなかった。娘の世話をしながら、旧で作ったおせちの通販ページや顧客対応の仕組みを理し、法へ償で提供した。以は嫁の伝いとして無だった仕事に、初めて価格をつけた。
サイト改善と予約管理の報酬が、私の最初の自分名義の収入になった。父からもらったではなく、妊娠からにつけてきた写真撮、文章、受注管理の技術で得たものだった。
健太は法へ雇ってほしいと頼んだ。宮本は調理技術だけを評価し、経理権限なし、半契約、与から債務返済をう条件をした。
健太は元自分ので雇われる屈辱に耐えられず断った。
幸子もへ客として来たが、従業員用の入から入ろうとして止められた。
「ここは榊のよ」
宮本は答えた。
「契約も営業許も違います。事をなさるなら、ご予約をお願いします」
鳴り声をげても、以のように従業員がをげることはなかった。
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