みかん小説
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"夫は私を最低な妻として配信していた" 第16話

文化祭

、菜の学で文化祭がかれた。彼女は放送部の朗読劇に演した。題材は、同じ来事を見たが、それぞれ違う記をく物語だった。

私は勤務希望をめにし、当は方の席に座った。菜は私が来たことを確認したが、を振らなかった。台のの彼女を撮しようとスマートフォンをしかけ、学が許した面だけにした。

演目が終わると、保護者たちは写真を撮り、SNSへを投稿した。菜は友との写真には入ったが、私との写真は撮らなかった。

体育館ので、でコンビニのおにぎりをべた。

「お母さん、今のことは撮らなくていいの?」

「覚えていれば、それでいいもあるから」

菜はし考え、自分のスマートフォンをバッグへ戻した。

文化祭の案内をもらった、私は目の欠席をいした。あのは病棟の急な対応でれられず、連絡も遅れた。今回は勤務希望をめにしたが、それでも当まで何が起こるか分からない。交代の順を同僚と確認し、万けなくなれば始に菜へ直接伝えると約束した。娘は「そこまで説しなくても」と言ったが、私は守れる約束の作り方を変えたかった。

体育館には撮禁止の表示があり、許されただけ保護者が写真を撮れた。隣の席の親が台へ端末を向けた、私は反射に菜の顔が映らないか確かめた。

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周囲のが規則を守っていても、体が先に警戒する。菜は朗読劇で、記のきによって同じののが変わる面を読んだ。私は作品を私たちの事件の暗号にしたくなかった。娘が部員と考え、稽古した台として聞いた。

終演、菜は友に囲まれていた。私はづきすぎず、廊の端で待った。彼女は自分のでこちらへ来て「最の台、聞こえた?」と尋ねた。私はよく聞こえたと答え、好きだった言い回しをつ挙げた。母親が見に来た証拠の写真はないが、台で何を読んだかを話せる。の空席をで埋めることはできなくても、今の席には確かに座れた。

帰宅した夜、私は学から配られたプログラムを机へ置いた。菜は「捨てないの?」と聞き、私はくらいは取っておきたいと答えた。写真と違っても、本が嫌なら処分できるだ。菜は朗読劇で自分が読んだ箇所にさく丸をつけた。私はそのページを閉じ、来の予定を決めるまで引きしにしまった。

コンビニのおにぎりをべながら、菜は父にも演目のことを伝えるか迷っていた。私は返事を急がせず、写真を送る義務もないと言った。に帰ってから彼女が選んだ《楽しかった》というい言葉は、私が代わりにけないものだ。翌朝、菜は台のをしずつ話した。

私は弁当を作りながら聞き、約束していた洗濯物を畳んだ。文化祭のが、そのの普通の朝へつながっていることが嬉しかった。

学の帰りにがり、私たちは本の傘を使った。菜は台で言い違えた箇所を気にしていたが、私は気づかなかったと正直に言った。「ちゃんと聞いてた?」と笑われ、好きだった台をもう度伝えた。完璧な観客を演じなくても、彼女の声は私に届いていた。翌の卓でも、菜は友がどの役で緊張したかを話し、私は最まで聞いた。

帰り、拓也から《文化祭どうだった》といういメッセージが来た。菜はすぐ返さず、に着いてから《楽しかった》とだけ送った。写真も画も添えなかった。

私たちのは、誰かへ証するための材料にならなかった。

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