みかん小説
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"寝室のベッドの下に隠されていたもの" 第5話

叔母が残した封筒

最古の音声が録られたのは、叔母ののかだった。正の借が表面化するよりから、義母は叔母の資産を気にし、夫は私の自信を奪う準備を始めていた。

「投資の失敗が計画の始まりではない。失敗したから、計画を急いだだけです」

の説に、私はすぐ返事ができなかった。借に追い詰められ、の迷いで妻を裏切ったのなら、理解できなくても筋だけは分かる。しかし正は破綻するから、将来私へ入るかもしれない財産を自分のものにする方法を考えていた。

叔母のは子どもがおらず、幼い頃に母をくした私を実の娘のように育ててくれた。正にも親切だったが、くなるほどから、彼ときりで話すことを避けていた。私は齢のせいで気難しくなったのだとっていた。

翌、と緒にの貸庫をけた。相続類を再確認し、正がらない資料が残っていないか確かめるためである。奥には、の跡で〈怜奈へ。で読むこと〉とかれた封筒があった。

相続の直は事務続きに追われ、遺言の控えや権利証ばかり確認して、そのい封筒をけていなかった。

〈正さんから、私の産をに現化し、夫婦の会社へ資してほしいと言われました。

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断ると、あなたは仕事の圧で判断を誤ることがある、自分が代わりに管理すべきだと話しました〉

には、が正の提案を審にい、遺言執者をへ変更した経緯がかれていた。さらに、正は私の実印を用できるとにし、義母も話で「夫婦の財産なのだから息子に任せるべきだ」と迫ったという。

〈私はあなたをにさせたくなくて、直接言えませんでした。それが違いだったかもしれません。もし私の、正さんが財産を管理すると言いしたら、すぐ先へ相談してください。あなたは数字にく、自分で決められるです〉

最の文がにじみ、読めなくなった。正に「最忘れっぽい」と言われるたび、私はから受け継いだ会社株や産を持つ資格がないのではないかと悩んでいた。その私を、くなっただけは信じていた。

封筒には型の録音も入っていた。が正と交わした最の会話が残されている。

『怜奈が署名しない限り、あなたには円もかせません』

『今はね。でも、本が管理できないと医師が判断すれば別です』

『あなた、怜奈に何をするつもり?』

そこで子のく音がし、正は声をくした。

『何もしませんよ。ただ、できないに、できないと認めてもらうだけです』

録音はだったが、それだけで現の為すべてを証できるわけではない。

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は刑事告訴と婚続きを並してめる方、正の事業と野医師の関係を調べる必があると言った。

信用調査で、正の会社が約千百万円の保証債務を抱えていることが分かった。彼は債権者に対し、妻から億円以の資産管理をく任されると説し、返済を度も延期していた。私の財産は、まだ奪われるから彼の信用として使われていたのだ。

野クリニックには、正の会社から毎〈顧問料〉が振り込まれていた。額は万円。診療記録の作成が始まったと、送始は致している。

警察が野へ事を聞くと、彼は私を診断した事実はなく、正の相談内容をメモしただけだと説した。しかしホテルまで同した理由については、「自傷の恐れがあると聞いた」と答えた。根拠を尋ねられると、正から送られてきた画を示したという。

その画には、私が眠薬の瓶を握り、ベッドの脇で泣いている姿が映っていた。

私はそんな瓶を見た記憶がない。

元データを調べると、撮直に正が寝へ入り、眠っている私のへ瓶を握らせていた。角度を変えながら写真まで撮っている。彼は私を病気に見せるだけでなく、自分で命を絶つ危険のある妻という物語まで作っていた。

そのの夕方、会社から緊急連絡が来た。

匿名の物から事部へ、私が精神疾患を隠して巨額決裁をっているという告発文と画が送られたのだ。顧客企業にも同じ資料が届き、監査が終わるまで私は管理職業務をされることになった。

さらにから、相続座がな確認対象になったとらせが入った。正が〈妻の能力にな疑いがある〉として、私自による資産移を止めるよう申してたのである。

正は証拠が見つかっても逃げなかった。

私が反撃するに、私の仕事と財産の両方を止めに来たのだ。

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