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"寝室のベッドの下に隠されていたもの" 第6話

奪われた信用

翌朝、私の机から決裁印と管理職用の端末が回収された。処分ではなく全確認のための措置だと説されたが、周囲の線は昨までと違っていた。声をかけようとしてやめる者、こちらを見て声で話す者。正が作った映像は、事実よりく社内へ広がっていた。

瀬部だけは、個で私にをげた。

「君の能力を疑っているわけではない。ただ顧客から説を求められ、監査部もいている。この状態で巨額決裁を続けさせれば、から取引そのものを争われる」

「理解しています。でも、自宅へ戻れとも夫と話しえとも言わないでください」

「言わない。会社は庭裁判所ではないし、夫からの申告だけで君の私活を判断するべきでもない」

管理職をされた事実は悔しかったが、瀬の対応は敵ではない。だからこそ、私はりの矛先を違えないようにした。正は、私が周囲の全員を疑い、自分から孤することを望んでいる。

の確認対象となった相続座は、凍結されたわけではなかった。額な解約や送をう際、弁護士同席で本確認をう措置である。それでも正は債権者へ「妻の資産は保全続きに入った」と吹聴し、自分の申してが認められたように装っていた。

午、彼の代理から内容証郵便が届いた。

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私は度の眠障害と被害妄により夫を当に排除し、共宅を放棄した。正は妻を保護するがあり、治療へ同するなら婚を求めない。文面は温に満ちていたが、最には〈現の状態でわれた財産処分は無効となる能性がある〉とかれている。

「婚を拒むのは、夫婦でいる限り私の財産へづけるからですね」

「それだけではありません」

は登記簿を机へ置いた。共名義の自宅には、私のらない仮登記申請がされていた。正は自分の持分を担保に、千万円を借りようとしている。貸しは彼の顧客企業と関係のある融業者だった。

「まだ融資は実されていません。ただしを巡る争いを複雑にし、あなたへ譲歩を迫る材料にはなります」

「止められますか」

「共持分だけなら、完全に止めるのは簡単ではありません。ですが、申請には全体を処分できるよう誤解させる資料が添付されています。偽造の疑いを申し入れます」

正は職、、の方向から私を締めつけていた。こちらがつ反論するに、彼は別の所で「妻は正常ではない」という同じ物語を語る。聞く側にとっては、夫が何度も繰り返す詳細な説の方が、混乱した妻の訴えより信じやすい。

その夜、ホテルので義母が待っていた。

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私は距を取り、スマートフォンの録音を起した。

「怜奈さん、こんなことを続けたら会社にもいられなくなるわよ。正はあなたを捨てずに治してあげると言っているの」

「私の署名をまねたのは、お義母さんですか」

登志子の目が瞬泳いだ。

「何の話?」

「へした申込です。証欄に名があります」

「正に頼まれていただけよ。夫婦の類でしょう。あなたが署名したものを清したと聞いたわ」

「私は署名していません」

「じゃあ忘れているのよ」

迷いのない返事だった。義母は私の記憶より息子の説を信じたのではない。最初から、私の否定を記憶障害として処理する役を引き受けていた。

「お義母さん。ベッドのにあった容器をっていますか」

「らないわ。そんな黒い瓶なんて見たこともない」

私はを言っていない。警察も公表していない。

登志子は失言に気づき、元をで覆った。次の瞬には私の腕をつかみ、「私を罠にはめた」と叫び始めた。ホテルの警備員が駆けつけると、彼女は被害者のように泣き崩れた。

録音には、黒い瓶という言葉がはっきり残った。だが義母は帰宅、正へ何を話したのだろう。その、私の個メールへ枚の写真が送られてきた。

自宅の寝で、私の実印をに笑う登志子と、その隣で委任状を掲げる正。

撮はかだった。

本文にはだけかれていた。

〈おが覚えていないだけで、すべて同のだった〉

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