みかん小説
本棚

"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第5話

つまり美咲は、私と緒に親族の宿泊を確認し、私に送迎の配を頼みながら、その裏で父親と織を親族席へ加えていた。

そして今になって私へ、

《夫の族だけ事にしたい》

《もう連絡しないで》

と言った。

本当に輔さんの族を優先したかっただけなら、直と織を呼ぶ必はない。

私は野寺さんへ話した。

「このおを親族席へ追加したのは、美咲本ですか」

『はい。婦様からご希望がありました』

「私も承していると?」

『そう伺っておりました。お母様には直接説済みで、お父様ご夫妻との関係についても問題ないと』

私は目を閉じた。

「私は今、初めてりました」

話の向こうで野寺さんが息をんだ。

『申し訳ございません。では、この変更はいったん保留にいたします』

「いいえ。私の判断です必はありません。結婚するのは美咲です。ただ、私は承していないという事実だけ、記録しておいてください」

それだけ伝え、話を切った。

りに任せて席をさせれば、また私が娘の問題を代わりに処理することになる。

美咲が呼んだのなら、美咲自が説しなければならない。

私は娘へ通だけメッセージを送った。

《直さんと織さんを親族席に入れることを、私は承していません。野寺さんにはその事実だけ伝えました》

既読はすぐについた。

広告

だが返事はなかった。

代わりに、10分ほどしてらない番号から話がかかってきた。

普段ならないところだったが、その夜はなぜか指が止まった。

「はい、田です」

数秒の沈黙の、男の声がした。

『……恵子か』

背筋が固まった。

22経っても、その声だけは分かった。

「直さん?」

『美咲を責めないでやってくれ』

私は何も答えなかった。

直は、昔と同じように、自分が話のにいることを当然とっている声で続けた。

『あの子が俺たちを式に呼んだのは、俺が本当のことを話したからだ』

「本当のこと?」

『どうして22、父親と会えなかったのか。あの子は何もらなかった』

胸の奥がえた。

私は直が何を言おうとしているのか、まだ理解できなかった。

次の言を聞くまでは。

『美咲には言ったよ。俺は何度も会おうとした。でも、おが会わせなかったんだって』

私は受話器を握ったまま、けなくなった。

22の空に、誰かが別の物語をき込んでいた。

そして美咲は、その物語を信じたまま、私を結婚式からざけようとしていた。

「私が会わせなかった?」

自分の声なのに、くから聞こえるようだった。

『そうだろう。婚した、おは美咲を連れて引っ越した。話番号も変えた』

「引っ越したのは、あなたが養育費を止めたよ」

直は瞬黙った。

私は引きしのにある古い類をいしていた。

広告

婚2の振込記録、庭裁判所から送った履勧告の控え、宛先で戻ってきた留。捨てる理由もなく、22同じ封筒に入れて保管していた。

『の話と、親子の話は別だろ』

「なら、どうして会いに来なかったの?」

『織とのこともあったし、おが嫌がるとった』

「それを、会わせてもらえなかったと言うの?」

直は苛ったように息を吐いた。

『今さら昔の話を蒸し返したいわけじゃない。美咲ももうだ。父親と解したいと言っている。それを邪魔する権利はおにはない』

「邪魔するつもりはないわ」

私は即答した。

それは本だった。

美咲が28歳のとして父親に会うことを、私が止める理由はない。

問題は、そこではなかった。

「ただし、私が22会わせなかったという話は事実ではない。美咲があなたを式に呼ぶかどうかも、あなたと関係を持つかどうかも、本が決めればいい。でも、嘘を材料に私を排除するなら話は別よ」

話の向こうが静かになった。

『相変わらず理屈っぽいな』

その言葉を聞いた瞬、私は22へ戻りかけた。

直は自分に都の悪い話になると、いつもそう言った。

だが今の私は31歳ではない。

「では、事実だけ確認しましょう。婚、養育費を最に振り込んだを覚えている?」

返事はなかった。

「美咲の学の卒業式は何?」

沈黙。

「はどこへ通っていた?」

『そんな試験みたいなことをするなよ』

「試験じゃないわ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: