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"兄夫婦を亡くした日、5歳の双子を家族にした" 第12話

と呼ぶ必はない。

私はこの子たちと暮らしたいから暮らしている。

その違いはきかった。

事務所をると、蓮が聞いた。

「どうする?」

「何を?」

「86万円」

私はし考えた。

「2のために残す」

「浩司さんのメモ通り?」

「半分はね」

「半分?」

「しだけ使いたい」

その週末、私たちは向と蒼依を連れて写真館へった。

兄夫婦がくなってから、きちんとした族写真を撮ったことがなかった。

私と蓮。

向と蒼依。

そして2が抱えているさな写真てのに、浩司と織さん。

6の族写真になった。

写真代を支払うとき、私は兄の通帳から必な分だけ使った。

「お兄ちゃん」

ので言った。

「ちゃんと回したよ」

4。

向と蒼依は学になった。

入学式の朝、蒼依はのランドセルを何度も鏡で確認した。

向は黒いランドセルを背負い、「くない」と言い張っている。

玄関で靴を履こうとしたとき、向が突然止まった。

「写真」

「何の?」

「パパとママにも見せる」

リビングの棚には、兄夫婦の写真がある。

私たちはランドセル姿の2をそのにたせた。

「ってきます」

向が言った。

蒼依も続いた。

「ってきます」

私は泣きそうになったが、泣かなかった。

今はしいではない。

にはたくさんの族がいた。

父親と母親。

祖父母。

片親の庭。

きょうだい。

それぞれ違う。

受付で先が名簿を確認した。

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「野向さん、野蒼依さんですね。保護者の桜井さん」

「はい」

以なら、その名字の違いに胸がざわついただろう。

今は普通に返事ができた。

教ので、向が友達に聞かれた。

「その、お母さん?」

向は私を見た。

私は答えを任せた。

「美緒ちゃん」

「誰?」

「おばちゃんで、保護者で、族」

友達はし考えた。

「い」

向が笑った。

「だから美緒ちゃんでいいんだよ」

それで話は終わった。

式が終わり、ので写真を撮った。

蓮がスマートフォンを構える。

「もっと寄って」

「向、目つぶってる」

「蒼依、ランドセルにしなくていい」

何枚撮ってもうまくいかない。

最には全員笑ってしまった。

帰宅すると、文さんが赤飯を炊いて待っていた。

「あら、2とも派になって」

蒼依がランドセルを見せる。

向はすぐに制を脱ぎたがった。

いつものだった。

その夜、私は兄夫婦の写真のに、今撮った写真を置いた。

1、私はこの子たちを守るために、自分のを全部捨てようとした。

けれど実際に必だったのは、捨てることではなかった。

働き方を変えること。

助けを求めること。

の選択を勝に奪わないこと。

子供たちのしみを急いで消そうとしないこと。

そして、自分も族ので幸せになること。

その全部だった。

学活が始まると、またしい問題が次々にてきた。

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忘れ物。

宿題。

学童のお迎え。

友達との喧嘩。

蒼依はで嫌いな野菜を残し、向は箱を3回なくした。

族になれば問題がなくなるわけではない。

問題の種類が変わるだけだった。

ある曜、私は病院から帰宅すると、蓮が台所で夕を作っていた。

「今どうだった?」

「患者さんかった」

「こっちもかった」

「何が?」

「事件」

蓮は真顔で言った。

「向、宿題を学童に忘れる。蒼依、履きを持って帰るのを忘れる。俺、米を炊くのを忘れる」

炊飯器を見ると空だった。

「最が番事件じゃない?」

「だから今、うどん」

私は笑った。

1なら、こんなは自分を責めていただろう。

ちゃんとした夕を作れなかった。

子供の持ち物を確認できなかった。

医師の仕事と庭を両できていない。

今は違う。

「じゃあ今はうどん」

「文句ない?」

「ない」

向がリビングから叫んだ。

「僕カレーがいい!」

「米がない!」

蓮が叫び返した。

蒼依が笑った。

卓には4つの丼が並んだ。

赤い炊飯器は使わなかった。

それでも誰も困らなかった。

事の途、蒼依が突然聞いた。

「美緒ちゃん」

「何?」

「ママって、今どこにいるとう?」

私は箸を置いた。

以なら正しい答えを探した。

今は探さなかった。

「蒼依はどこにいるとう?」

「分かんない」

「美緒ちゃんも分かんない」

蒼依はし驚いた。

「なのに?」

「でも分からないこといっぱいあるよ」

向が言った。

「僕は写真のところ」

「写真の?」

「ううん。写真見るといすから、の」

蒼依は考えた。

「じゃあ蒼依もそこ」

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