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"母の葬儀から戻ると、私の寝台はもうなかった" 第8話

と言った。

「械を何台かしたか、どれだけ糸をげたか。が働けば、そっちにも数字が残る。料の帳面だけ直しても、全部は消せんよ」

はすぐに久子へ会いにかなかった。まず元女たちへ聞き、班ごとに《来誌》と呼ばれる帳面があったことをいした。械の故障や糸切れがかった、誰がどの列を担当したかを班がく帳面である。

そこには名ではなく番号が使われていた。

が317番として葬儀も働いたことになっているなら、来誌にも317があるはずだった。そして実際に械のにいた千代の作業量が、その番号へ付けられている能性がい。

は迷った末、久子へそのことだけを尋ねた。

「を写してとは言わない。来誌に317があるか、それだけ教えて」

久子はい黙っていた。「それだけなら」と答えたのは、翌だった。

2、久子はくの百でとすれ違う、さくうなずいた。

317はあった。

しかも108から10まで、毎同じ械列に記録されていた。

「千代ちゃんが入ってる列?」

「そう」

はそこで初めて、勤務表と実際の労働がつながったとじた。架空の残業だけではない。千代が実際にかした械の来まで、の番号へ記録されていた。

ところが翌、事態はさらにいた。

千代が青ざめた顔で文代のへ来た。

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「今から番号が変わりました」と言い、作業割当票を差しした。しい番号は462。たちが317を調べていることが側へ伝わった直に、番号が変更されたことになる。

「古いは返せって言われなかった?」

「言われました。でも、なくしたって言いました」

千代は震えながらも317のを放さなかった。

同じ、芳の204も勤務表から消えた。富美の番号も消えた。まるで誰かが、たちがどこを見ているのかったうえで、古い数字を斉に片づけ始めたようだった。

森はもうを追い払うだけではなく、帳面の形を変え始めていた。

をかければ証拠のほうが消える。

はその夜、集めた細を呂敷へ包み直した。

調べ終わってからくのでは遅い。

次の料までに、のへ数字を持ちす必があった。

はまず、元女たちに自分の名をしてもよいか尋ねた。へ戻るつもりの者、妹を同じへ入れる予定の者、夫が関連会社に勤めている者もいる。証拠を貸してくれたからといって、全員が表へられるわけではなかった。

「だけ使って。名はさないで」

そう頼む者もいた。

はそれを受け入れた。自分が怖くなくなったわけではないのだから、に勇気を求する資格はないとった。

それでも、芳は「私はく」

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と言った。父の病気は落ち着き、へ戻る理由もない。「私が半まで働いたことになってるなら、自分ので働いてないと言うよ」とにいてきた。

富美も参加を決めた。「病気で寝ていたまで夜勤させる帳面なら、医者の診断を見せればいい」と言った。

文代は最初からのそばにいた。

千代も、「自分の番号をりたい」と言った。

そこへな物が加わった。久子だった。

「弟の話、なくなってもいいの?」

が尋ねると、久子はうつむいた。「怖いよ。でも昨、森さんに『これ以と話したら弟は終わりだ』って言われた。そのにったの。まだ何も決まってない弟の仕事まで、森さんが自分のものみたいに使ってるって」

久子は勤務表そのものを盗みすことはしなかった。代わりに、自分が確認した付と番号を便箋へ理し、最に自分の名をいた。《私はこの内容を内で確認した》という文も添えた。

さらに入りの女3が、千代を通じて《預り控》を貸してくれた。全員が別の古い番号をに使っていたことも分かった。

数は14になった。

ただ、は14を連れていきなり森の机へ押しかけることはしなかった。先にの労働組へ相談したからである。

組の記をしていた岩瀬は30代の男性で、最初は慎だった。

「仮番号を使うこと自体と、賃を抜くことは別問題だ。そこを混ぜると会社に逃げられる」

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