みかん小説
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"妻のスマホに残っていた半年先の「2名様」" 第20話

予約

回忌を終えた夜、私は久しぶりに美のスマートフォンを引きしからした。

充すると、まだ源が入った。

壁はあの桜のままだった。

カレンダーをく。

過の付まで戻る。

《ル・シエル 19》

予定は消していなかった。

最初に見つけた、この4文字が怖かった。

誰との予約なのか。

なぜらされていなかったのか。

妻には自分のらないがあったのではないか。

そんなことまで考えた。

今見ると、ただの予定だった。

妻が半先に置いた、さな未来だった。

実現した部分と、実現しなかった部分がある。

美はへ来られなかった。

私は来た。

2分の料理は1分になった。

子も1脚になった。

それでも予約は、完全に無駄にはならなかった。

私はスマートフォンを閉じた。

予定は消さなかった。

残しておいても、もうそこに縛られることはない。

自分のスマートフォンをく。

来週の曜を見る。

何も入っていない。

し考え、私は予定をつ追加した。

《夕》

以と同じ文字だった。

ただし今回は、妻が用した練習ではない。

自分で作った予定だ。

は決めていない。

でくかもしれない。

藤本を誘うかもしれない。

織とべるかもしれない。

気が変わってで肉じゃがを作るかもしれない。

それでいい。

予約とは、未来を決めてしまうことではない。

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未来に、さな約束を置いておくことなのだと、美は言った。

約束した通りにならないこともある。

半に元気になっているとっていたが、そこまで来られないこともある。

2で座るはずだった席に、1で座ることもある。

それでも、未来へ何かを置くことにはがある。

そこまできようとえるから。

そこへ向かって今を過ごせるから。

そして、予定していた未来がなくなっても、残されたは別の予定を作ることができるから。

私は台所へった。

蔵庫をく。

の朝にする卵が残り2個しかない。

買い物へかなければならない。

以なら、そんなことを考える自分に寂しさをじただろう。

妻がんだにも卵はなくなり、ゴミのは来て、税を払い、腹が減る。

活というものは容赦がないとっていた。

今はし違う。

活が続いてくれるから、はしみのだけにいなくて済むのかもしれない。

私は買い物の予定をのカレンダーへ入れた。

《卵、牛乳、噌》

そのに、来週曜の《夕》がある。

私はスマートフォンをテーブルへ置いた。

仏壇の美へ目を向ける。

「来週、何べようか」

もちろん返事はない。

私はし笑った。

もう返事を待たなくても、寂しさに耐えられる。

美を忘れたわけではない。

忘れる必もない。

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ただ、妻がいないを、自分のとしてきられるようになった。

あの夜、美が半先に予約していたレストランで、私は分の料理をべた。

あれが最初だった。

最初の。

最初の帰り。

最初の「で丈夫だった」。

そこからしずつ、予定が増えた。

自分で作った事。

友との約束。

で見た桜。

何も予定を入れなかった休。

そして、まだ何が起こるか分からない来週の曜。

私はカレンダーを閉じた。

半先まで予約する必はない。

今の私には、来週つあれば分だった。

数なんて、く必もない。

でもいい。

誰かと緒でもいい。

そのになったら、自分で決めればいい。

美が残した最の予約は、もう終わっている。

だからこれからは、私が自分で予約する。

妻のいないをしまないためではない。

しいままでも、その先へ予定を置いていくために。

来週の曜。

19。

《夕》

私はその文字を確認し、部の灯りを消した。

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