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"午前2時17分、亡き妻が病室を訪れる" 第4話

妻がくなった夜、父はいなかった

翌の午。

織が病院へ来た。

濃紺のジャケット。

肩までの髪。

歳と聞いていたが、疲れた表のせいかしに見えた。

由が名を確認すると、織は病の方を見た。

「父は起きていますか」

「今は」

「話せます?」

「でなければ」

織は度だけ頷いた。

712号のまで来た。

が止まった。

ぶりなのだと由は気づいた。

ドアをける。

修は目をけた。

娘の姿を見た瞬、表がいた。

「織」

娘は返事をしなかった。

子へ座る。

ぶりの父娘のに、最初に流れたのは沈黙だった。

「具は」

「見ての通りだ」

「そう」

再び沈黙。

由は病からようとした。

「護師さん」

修に呼び止められた。

「いてください」

織が父を見る。

「何で?」

「だと、途で逃げるかもしれない」

織の眉がいた。

「今さら冗談?」

「冗談じゃない」

修はゆっくり呼吸した。

「の話をしたい」

織の顔がくなる。

「聞きたくない」

「聞いてほしい」

「お母さんがんだ夜の話?」

「そうだ」

織はちがりかけた。

「やっぱり帰ります」

「私は病にいなかった」

その言で、織のきが止まった。

「ってる」

声が震えていた。

「ずっとってる」

「そうだな」

「お母さんが番苦しいに、あなたはいなかった」

修は否定しなかった。

「護師さんから話が来た、私も病院に向かってた。

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でもにわなかった。病へったら、お母さんはもう……」

織はそこで言葉を切った。

「それなのに、あなたは私よりに来た」

由は黙っていた。

修の指がシーツを掴んでいる。

「どこにいたとっていた?」

「らない」

「?」

「りたくもなかった」

「仕事だとった?」

織は答えない。

「逃げたとった?」

「違うの?」

修は娘を見た。

「おを探しにっていた」

織の表が消えた。

「……何?」

「その夜、おと母さんは喧嘩した」

織はかなかった。

。

美佐子の病状が悪化し、医師から族へ「いつ何があってもおかしくない」と説があった。

織は母親と激しく言い争った。

治療を続けるか。

自宅へ戻るか。

何を優先するか。

代半だった織は、現実を受け止められなかった。

「もう勝にすれば」

そう言って病をびした。

携帯話の源も切った。

修は病に残った。

「くらいした頃、母さんの呼吸が急に悪くなった」

織の唇が震える。

「その、母さんが言ったんだ」

修は息をえた。

「“織を探してきて”って」

「……」

「私は断った。こんな状態で置いていけるわけがないと言った」

それでも美佐子は繰り返した。

娘をにしてはいけない。

あの子は自分が悪いとったまま帰れなくなる。

「ってきて」

最にはそう言った。

修は病院をた。

織がきそうな所を探した。

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自宅。

駅。

友ののく。

そして夜を過ぎた頃。

駅のベンチで、泣きながら座っている娘を見つけた。

「嘘」

織の声がかすれた。

「嘘じゃない」

「だったら、どうして言わなかったの」

修は答えられなかった。

「も」

織の声がきくなる。

「私はずっと、あなたがお母さんから逃げたとってた!」

由が歩いたが、修がで制した。

「言えなかった」

「何で!」

修は目を閉じた。

「おが、自分のせいで母さんの最期に私がいなかったとうからだ」

織は何も言わなかった。

「私はおを連れて病院へ戻った」

修の声がくなる。

「着いたには、231分だった」

美佐子がくなったのは。

217分。

わずか分。

織の頬から、初めて涙が落ちた。

しかし彼女は首を振った。

「そんな話……今さら信じられない」

当然だった。

続いた記憶は、つの告だけでは覆らない。

修もそれを分かっていた。

「病院に、記録があるはずだ」

織が顔をげた。

「記録?」

「の護記録だ」

修は由を見た。

「私が病をたも、戻ったも残っているとう」

その言葉が、第个の答えを与えた。

しかし同に、さらにきな問いをんだ。

もし父の話が本当なら。

なぜ修は、度も真実を話さなかったのか。

そして美佐子は、なぜぬ直に夫ではなく、娘を探しにかせたのか。

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