みかん小説
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"午前2時17分、亡き妻が病室を訪れる" 第7話

映らなかった

美咲はまだエレベーターの件を気にしていた。

「設備の、もう回調べたらしいです」

夜勤の休憩。

コップのコーヒーを持ちながら言う。

「原因、分かった?」

「分かってないです」

「センサー?」

「異常なし」

「記録の誤作」

「それも否定できないって。でも個だけ変なんですよ」

エレベーターが階でくには、通常いくつかの条件がある。

内部で階ボタンを押す。

階から呼びす。

保守操作。

緊急制御。

しかし217分。

どの入力記録も残っていなかった。

それでも扉だけはいている。

「ホラーみたいに言わないで」

由が言う。

「私じゃないですよ。設備のが首かしげてるだけです」

「誰にも広めないでね」

「分かってます」

病院で噂になるのは避けたかった。

712号の患者にはくなった妻が来る。

そんな話が広がれば、修にも織にも迷惑がかかる。

由はその夜、あえて217分を識しないようにした。

だが計の針がづくと、無理だった。

215分。

巡回。

廊は静か。

216分。

ナースステーションへ戻る。

217分。

何も起きない。

エレベーターもかない。

由は自分でも気づかないうちに、息を吐いた。

翌朝。

修の状態はしずつ悪化していた。

医師は織を別へ呼び、今急変する能性について説した。

織は病へ戻ると、父の隣へ座った。

「今もいる」

修が言う。

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「休取った」

「仕事は」

「父親が危ないって言ったら、休ませてくれた」

「そうか」

「迷惑そうにしないで」

「してない」

織は父のを見た。

「ねえ」

「何だ」

「お母さんがんだ、最に何か言った?」

修は答えなかった。

「記録には残ってない」

「私も聞いてない」

織は待った。

修はい、井を見ていた。

「おを見つけるに、護師さんから度話があった」

「いつ?」

「半過ぎだったとう」

「何て?」

「状態が悪くなっているから、く戻ってほしいって」

「じゃあ、どうして戻らなかったの」

織の声が揺れる。

「おがまだ見つかってなかったからだ」

「……」

「戻ろうとした。何度も」

でも美佐子の言葉が残っていた。

《織をで帰らせないで》

修は探し続けた。

「お母さんは、私を待ってたの?」

「分な」

「にわなかった」

「私もだ」

のに沈黙が落ちる。

修が娘を見る。

「だから、どっちが悪いという話にするのは、もうやめないか」

織の目に涙が溜まる。

「遅い」

「そうだな」

「もっとく言ってよ」

「そうだな」

「何で全部、そうだなって言うの」

修はし笑った。

「反論できないからだ」

織も泣きながら笑った。

ぶりに。

父と娘が同じことで笑った。

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