みかん小説
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"午前2時17分、亡き妻が病室を訪れる" 第11話

度目の217分

午210分。

修の呼吸はさらにゆっくりになっていた。

織はベッド脇で父のを握っている。

由は医師へ連絡し、必な準備をえた。

214分。

修が目をけた。

「織」

「ここにいるよ」

「母さんに……」

言葉が途切れる。

「何?」

修はし笑った。

「られるな」

「何を?」

「もかかった」

織は泣きながら笑った。

「本当にね」

216分。

由は病をて、ナースステーションへ必な物を取りにった。

その。

チン。

音がした。

由の全が止まった。

エレベーター。

計を見る。

午217分。

扉がく。

廊の先。

黒いコートの女性がっていた。

最初の夜と同じ。

由はかなかった。

女性もこちらを見た。

今度は顔がしだけはっきり見えた。

写真の美佐子。

そうった。

女性は由へをげた。

そして712号へ歩く。

由は追わなかった。

修との約束をいしたからではない。

なぜか、追う必がないとった。

女性は病ので止まらなかった。

そのままへ入った。

由も数秒遅れて病へ向かった。

ドアはしいている。

を見る。

織は父のを握っていた。

黒いコートの女性は――見えなかった。

「お父さん?」

織が呼ぶ。

修の目はいていた。

娘ではなく、そのしろを見ている。

何もない所。

それでも修は、驚くほど穏やかな顔をしていた。

唇がく。

「美佐子」

かすかな声だった。

織が振り返る。

そこには誰もいない。

修は娘のを度だけ握り返した。

それから。

呼吸が止まった。

計。

午217分。

医師が確認し、刻を告げた。

織は父のをさなかった。

きな声では泣かなかった。

ただ何度も。

「来てよかった」

そう言った。

由は病の入にったまま、廊の方を見た。

エレベーターの扉は。

いつのにか閉じていた。

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