みかん小説
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"午前2時17分、亡き妻が病室を訪れる" 第12話

監カメラに残ったもの

修がくなった翌朝。

織は病の荷物を理した。

父が持っていた妻の写真。

未送付の。

古い帳。

それらをつずつ鞄へ入れる。

最に、由へ尋ねた。

「昨も見ました?」

由は嘘をつかなかった。

「はい」

「母を?」

「そう見えました」

「病に入った?」

「はい」

織はしばらく黙った。

「私は見なかった」

「そうですね」

「お父さんは見たのかな」

「分かりません」

織は窓のを見る。

「でも名、呼んでた」

「はい」

「じゃあ本には見えたのかも」

そこから先は誰にも分からない。

織は父の写真と母の写真を緒に鞄へ入れた。

「護師さん」

「はい」

「最初の夜、母が来てくれたことにしておきます」

「しておく?」

「本当に幽霊だったかとか考え始めると、たぶん終わらないから」

し笑う。

「母が父に“まだくな”って言いに来た。それで父が私を呼んだ。回目は、“もういいよ”って迎えに来た」

「それでいいといます」

「護師さんがそんなこと言っていいんですか」

「これは医療の話ではありませんから」

織は初めて声をして笑った。

そのの午。

美咲が由のところへ来た。

「昨夜のエレベーター、また記録残ってます」

由は何も言わなかった。

「217分。階でいてます」

「そう」

「防犯映像も確認したって」

由は振り返る。

「誰か映ってた?」

美咲は首を横に振った。

「誰も」

午217分。

扉だけがく。

数秒。

映像に由が入ってくる。

それだけ。

「倉田さん」

「何?」

「本当にいたんですよね」

由は答えた。

「いたよ」

美咲はそれ以聞かなかった。

設備担当はのためエレベーターを詳しく点検した。

な異常は見つからなかった。

制御盤。

センサー。

ボタン。

特に問題なし。

「古い械ですから、記録説しにくいきをすることが絶対ないとは言えません」

技師はそう結論づけた。

由も、それ以何かを証しようとはしなかった。

には、説できないものがある。

そして説しなくても、困らないものもある。

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