みかん小説
本棚

"昭和24年、帰還した夫の家に別の夫がいた" 第9話

父親がいる子

。

浩の希望通り、の父親が同じ川辺につことになった。

清太。

政男。

吉。

初枝と文子まで来たため、妙な団になった。

「誰が番魚を捕れるか勝負しよう」

浩が言いした。

「俺だ」

清太が答える。

政男が笑う。

「戦争帰りだからって魚は寄ってきませんよ」

「鉄所の男よりはい」

吉が肩をすくめた。

「とも川をらん」

結果。

吉が匹。

政男が匹。

清太が匹。

浩が匹。

「父ちゃん、番」

「うるさい」

「どの父ちゃん?」

浩が聞く。

全員が瞬黙った。

そして吉が最初に笑った。

その笑いがへ移った。

清太も笑った。

議だった。

半ほどなら、このを「息子を奪った男」としか見られなかった。

今は違う。

浩が川へ落ちそうになれば、とも同にを伸ばす。

浩が魚の針で指を刺せば、政男が布を巻き、吉が消毒し、清太が「泣くな」と言って文子にられる。

誰が本物か。

その問いがしずつを失っていった。

---

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: