みかん小説
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"賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ" 第1話

私だけの零円

「総判断です」

事課の瀬由美はそう言って、私の目から線をした。の第曜、神インテリア本社の事相談にはが効いていたのに、机のに置かれた賞与細の数字だけがたく見えた。支額は零円。勤めてきた会社で、賞与の支額が零円になったのは初めてだった。しかも表示されているのは空欄ではなく、会社が確に入力した「0」という数字だった。

「確認します。私の分だけ支額が零円で、入力の誤りではないのですね」私は机の端に帳を置き、できるだけ平らな声で尋ねた。瀬は端末をもう度見てから、違いではないと答えた。理由を聞くと「個別評価の詳細は回答できません」、評価ががったのかと聞くと「総判断です」。つ目の質問を用したところで、これ以は同じ返事しか戻らないと分かった。

私は藤崎玲奈、歳。調達部でイタリア製の具、革、材、属部品を扱い、そのうちは現との契約更を任されていた。きな肩はないが、港で貨物が止まれば通関類を集め、革のが仕様と違えば代替ロットを探し、納期が迫ればの産計画を緒に組み直してきた。そのも懲戒も警告もなく、の事面談では「来もよろしく」

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と言われていた。

「来度の担当についても、変更があるということですか」私が尋ねると、瀬はようやく顔をげた。「担当のことは部署に確認してください。事ではお答えできません」。私はそれ以責めなかった。目ののが決定者でないなら、ここで声を荒らげても事実が曇るだけだ。細番号と表示刻、瀬のつの返答を帳にき、子を元の位置に戻して部をた。

調達部のフロアへ戻ると、コピーの音と話の呼びし音がいつも通りなっていた。自席の端末で来期の予定表をくと、に革メーカーの契約更、に属部品の価格改定、に欧州ホテル案件の試作品確認が並び、責任担当の欄はすべて「藤崎玲奈」だった。評価の理由は教えない。それでも、私が交渉を続けることだけは既定事項になっている。

隣席の寺まゆが資料の束を抱えて戻ってきた。「藤崎さん、午の革の確認、先方に回して丈夫ですか」。寺は来から私の補佐に入る歳の社員で、質問を曖昧にしたままめないところを私は信頼していた。私は資料を受け取り、「結果は必ずメールにも残してください」と伝えた。いつもより細かい指示に寺は首をかしげたが、理由を聞かずに頷いた。

午過ぎ、誠部が先から戻ってきた。

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コートを子に掛けながら予定表を見て、「藤崎さん、来もイタリアは頼むよ。あの群は君が番分かっている」と言った。私は「担当は確定ですか」と確認した。部は当然という顔で「もちろん」と答えた。その瞬、私ので最の迷いが消えた。

終業、会社の規則に沿って自分の賞与細を印刷し、担当予定表の該当ページも控えた。事との会話は帳に記録してある。誰かを陥れるためではない。翌朝、腹がったから会社を辞めたのだと自分で事実をさくしてしまわないためだった。ビルのでたいに吹かれた、私は鞄のの枚のを確かめ、に帰ったら退職の条件を調べようと決めた。

けれど、会社を辞めるにつだけ確かめなければならないことがあった。私の仕事を必だと言う部は、なぜ私への零円という処遇をらない顔で受け入れられるのか。その答えは翌、部のからいがけない形でてくることになる。

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