みかん小説
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"賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ" 第5話

辞めないと決めつけた

「本、退職届を提します」

私は午の面談で封筒を机の央へ置いた。部はを見るに、私の顔を見た。「藤崎さん、し待ってくれ。賞与の件なら今、事が調べている」。私は「調査を止めていただく必はありません」と答えた。零円が修正されたとしても、来も同じ扱いを受けない保証にはならない。何より、退職を示唆して初めてがく仕組みへ戻るつもりはなかった。

私は担当予定表、事の回答、評価区分Aと特別調零円が並ぶ通を机に置いた。部は枚ずつ読み、最に「これは俺もらなかった」と呟いた。私は引き継ぎ計画の案を渡し、共フォルダーに残す契約条件、担当変更通、任研修の範囲を説した。個の携帯や私用メールで退職も取引先の窓を続けることはしない、と確に伝えた。

「そんなに割り切らなくてもいいだろう」と部が言った。私は首を振った。「曖昧なままにすると、また寺さんが困ります」。部はく黙ってから封筒を受け取り、事と続きをめると答えた。面談を終えて席に戻ると、私はまず寺に末で退職することを告げた。彼女は驚いたが、私が資料を渡し終えるに理由を問い詰めることはしなかった。

午、私たちは社のうち社だけを選び、条件のつながりを確認した。

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寺は「この会社は値げのに発注見込みをす」「この会社は見本の再確認が先」と自分の言葉で説し始めた。私は彼女の判断を褒めるより、判断に迷ったの承認者を緒にき込んだ。任が必なのは私の性格を真似することではなく、正しい順番で会社に決めてもらう方法だった。

夕方、専務がフロアへ現れた。私の退職届を聞いたらしく、「資料化すれば仕事は回ります。むしろ属化を解消する良い会ですよ」と皆ので言った。私は「その通りです。業務資料は会社に残します」と答えた。専務はそうに眉をげたが、それ以は何も言わなかった。私は相を困らせるために辞めるのではない。自分のを返してもらうために辞めるのだ。

終業、瀬から「、で話せますか」と連絡が来た。会議には彼女だけがいて、机のには事の確認メモが置かれていた。瀬は「評価区分Aは違いありません。通常の算定では零円になりません」と言った。私は「では専務が個別に零円と決めたのですね」と確認した。彼女は頷いたが、その表には単なる評価への疑問以の緊張があった。

「私はこの件を社内の相談窓へ報告しました。個報の扱いも含めて、確認が必だとったからです」と瀬は続けた。私が理由を尋ねると、彼女は元のメモを裏返した。

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「賞与の決裁過程で、あなたの宅ローンに関する報が参照されていました。末調の類からり得た内容です。本来、賞与判断に使うものではありません」。私は自分の指先がたくなるのをじた。

「何のために、私のローンを?」

瀬はしばらく黙り、それから決裁メールにかれた言葉を字ずつ告げた。「『藤崎は宅ローンがある。歳で今さら辞めない。今回はゼロにして危を持たせればいい』――専務は、そういていました」。私は退職届を受け取った部の顔より、細を見たの観葉植物のをいした。会社は私の仕事を評価していなかったのではない。私が逃げられないと判断し、そのみを利用していたのだ。

瀬はまだ話し終えていなかった。「もうつあります。専務は来、取引先に送る価格改定通を準備しています」。彼女は私をまっすぐ見た。「退職届を受理したも、その通の『交渉責任者』欄には藤崎さんの名が残されたままです。しかも、あなたが承したという扱いになっています」。私は息を止めた。零円で従わせようとしたは、私が辞めるとっても、まだ私の名を使うつもりだった。

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