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"賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ" 第6話

私の名で交渉しないで

瀬が示したのは送信の通案で、取引先へ実際に届いたわけではなかった。だからこそ、今なら止められる。私は彼女に「その文面はどの部署が承認するのですか」と聞いた。瀬は「調達部の決裁経です。ただし専務の指示で作成されたものです」と答えた。私はを抑え、正式な訂正依頼をすために必な順を確認した。

翌朝、私は部にメールを送った。退職以の交渉責任者に自分の名を使わないこと、退職に承していない条件を承済みと記載しないこと、送信の価格改定通は決裁者を確にすること。文面はく、必な部分だけを引用した。部からは、「交渉責任者の表記は確認する」と返信があったが、専務からは何の連絡もなかった。

午、私は社内相談窓にも事実を申告した。末調で提した宅ローン報が、賞与を零円にする理由として使われたと事から説されたこと。評価区分はAであること。退職の表示も、本が承していない取引条件の責任者に名が残されていること。担当者は面談記録を作り、「調査結果は必な範囲でらせる」と言った。私はそれ以の処分を求せず、記録の写しだけを求めた。

寺は会議で革メーカーの資料を広げながら、「藤崎さん、私、何か見落としていたらどうしよう」

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と漏らした。私は彼女の元の表を見た。取引先の名、連絡先、発注数量、確認期限は丁寧に埋まっている。「見落としをなくすのはの記憶じゃない。確認する順番と、決めるを残すことよ」と答えた。寺はく頷き、判断を保留した案件に黄い印を付けた。

そのの夕方、専務が私を会議へ呼んだ。部も同席していたが、専務は私にだけ話しかけた。「藤崎さんが責任者とかれているのは、これまでの経緯を分かっているからです。名があるだけで取引先もする」。私は「承していない条件の責任者として名を使うことには同しません」と答えた。専務は子の背にもたれ、「会社に迷惑を掛けたいんですか」と聞いた。

「会社が決めた条件を、会社の名と責任で伝えてください。私はそのための資料を残しています」。私は用した確認事項を机に置いた。専務は「杓子定規だ」と言ったが、部は私の方を見て「退職の責任者欄は変更します」とにした。私はその言葉をメールでも確認してほしいと求めた。部は承し、専務は何も言わずに会議をた。

その夜、帰宅すると産会社から査定面談の程が届いていた。私は玄関で靴を脱ぎ、リビングの窓をけた。京のの空気が部へ入ってきて、机のの類を枚めくった。

会社の問題を解決してからをかすのでは遅い。私は会社と別の所で、同に次の活を作らなければならないとった。

翌、部から訂正済みの通案が届いた。責任者欄は「調達部」、交渉窓は寺と部署共通アドレスに変わっている。私は度だけ「確認しました」と返した。けれど、価格改定の本文には依然として「来期の全取引先に律パーセントの値げを請する」と残されていた。名の問題は直せても、会社の判断そのものは変わっていない。そこから先は、もう私の権限ではなかった。

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