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"賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ" 第8話

辞めるの責任

に入ると、引き継ぎ会議は週回になった。私は社の契約を会社名の順ではなく、条件がく順番で理した。革メーカーには数量と納期の組みわせ、材の会社にはわせの承認順、属部品のには品質保証と産枠の関係がある。寺が「全部覚えられるでしょうか」とそうに言うたび、私は保先と承認者を示し、覚えることより確認できる仕組みが切だと伝えた。

ある、専務が会議を覗き、「これだけ資料化できれば藤崎さんが抜けても回る。健全になりますね」と言った。私は「そうなるように理しています」と答えた。専務は満そうだったが、寺の元ではペンが止まっていた。彼女は、資料があれば判断まで自分に押しつけられるのではないかと配している。私は専務がた、表の端に「判断保留の連絡先」という欄を作り、部と担当役員の名をいた。

「これなら私が決めなくていいんですね」と寺が聞いた。「決めなくていいことは決めないで。判断の材料を揃えるのはあなたの仕事だけれど、会社が背負うべき責任まで引き受ける必はない」。私はそう答えながら、何も自分自に言ってやれなかった言葉だとった。寺はしたように息を吐き、そのの会議記録に「承認者確認済み」

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ときした。

数、専務から部経由で「退職にイタリア側へ個に説しておいてほしい」と依頼が来た。私がの担当者として言伝えれば、価格改定への抵抗もらぐという。私は会社の正式な担当変更通なら作成すると答えたが、退職の条件を個の信用で保証することは断った。部は「先方も君を信頼しているから」といがった。私は「だからこそ、決まっていない条件をだと言えません」と返した。

そのの夕方、イタリアの革メーカーから返信が届いた。担当変更を承したこと、今の契約条件はしい窓と改めて確認したいことが、丁寧な文面でかれていた。私はそれを部と寺へ転送した。取引先は私個に義理でいているわけではない。互いの条件を守り、必なに説する相として信頼してくれていたのだ。担当が変われば条件を確かめ直すのは、商売として当たりだった。

方で、社内相談窓からは調査継続の連絡が届いた。私の賞与と個報の扱いについて、関係者から聞き取りをめているという。私は必な資料を提し、退職までに結果がなくても続きをめると伝えた。誰かが処分されるのを見届けるまで会社に残るつもりはない。調査は会社がうべき仕事であり、私の退職は私が決めることだった。

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その週の終わり、の買い取りから見積もりがた。距はなくないが、状態は悪くないという。私は提示額を社と比べてから売却を決めた。を放すには、最に母と通った病院のをるつもりだった。母はもういない。それでも、私がどこへくかを母のために言い訳する必はないのだと、しずつえるようになっていた。

帰宅してメールをくと、部からしい依頼が来ていた。ホテル向け型案件の欧州調達説資料に、私の名を「従来の調達体制を維持する担当」として載せたいという。退職まで残り週。私は資料を読み、会社がまだ「藤崎玲奈がいる」という提で顧客をさせようとしていることに気づいた。名の表記を直すだけでは済まない問題が、次に待っていた。

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