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"賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ" 第15話

百億円の質問

ホテルチェーンから届いた質問は、なほど簡潔だった。欧州調達の責任者は誰か。主なとの条件はいつ確定するのか。代替調達が必になった、品質試験と納期を誰が承認するのか。総事業規模約百億円の改装計画で、神インテリアが担う部分は限られている。それでも客の子脚がにわなければ、業準備の部は止まる。顧客が求めているのはさせる言葉ではなく、責任の所だった。

部は「助言だけでも」といてきた。私は、会社として確定していることと未確定のことを分け、未確定なら誰がいつ決めるかを示すよう返信した。文章のき方を細かく直すことはしなかった。顧客に「丈夫です」と言わせるための材料を、退職者が作ってはいけない。事実を確かめる順番は資料にある。答えをす責任は会社にある。

寺は表を作り、項目を埋め始めた。発注数量、価格の限、品質保証の範囲、代替先の試験程。けれど「担当役員の承認」の欄だけが空いたままだった。「専務はパーセント削減が決まればは現で調できると言っています」と寺はいた。私はその文面を読み、返事をし考えた。「空欄を無理に埋めないで。決まっていないことを決まったようにくと、であなたの責任になります」

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と伝えた。

数、事の瀬から「退職の経緯確認」という件名でメールが届いた。私は零円の細、評価区分A、担当範囲の回答、退職届の受理を事実として返した。瀬はく「承しました」と返信しただけだったが、翌には社内相談窓からも連絡があった。個報の目利用と賞与の特別調について、経営側へ報告する段階に入ったという。私の退職理由が、ようやく部のへたことをった。

同じ頃、織から況を尋ねるメッセージが届いた。私は会社の騒ぎを詳しく話さず、語学学での活用に苦労していることを伝えた。織は「の仕事より難しい?」と冗談を返した。私は「なくとも違えたら先が理由を教えてくれる」といた。送信してから笑ってしまった。会社で番欲しかったものは、実はその程度の説だったのかもしれない。

の半ば、私はフィレンツェへ移る準備を始めた。ボローニャでの期課程を終え、次はもうしい授業と暮らしを試したかった。部のに退を伝え、荷物をスーツケースへ戻す。本ではつの段ボールを残すだけでも迷ったのに、今はつの鞄で移することに慣れ始めていた。軽くなったのは荷物だけではないとった。

フィレンツェの部へ着いた夕方、私用の本の携帯に社から着信があった。

や政続きのために源を入れていた端末で、画面にその名が表示されるのは初めてだった。私はすぐにはず、留守番話を聞いた。神浩社が退職の経緯について直接話したいという。か、事の相談で終わっていた話が、ホテル案件の混乱とともに社の机へ届いたらしい。

私は社へ、オンラインで分だけ事実確認に応じると返信した。復職や取引先との交渉を提とする面談は受けられないともいた。送信、窓をけると細いから器を片付ける音が聞こえた。会社は私に何を求めているのだろう。今さら謝罪なのか、それとも顧客へ言頼みたいだけなのか。答えは分からないが、私が守るべきのさだけは、もう自分で決められた。

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