みかん小説
本棚

"賞与0円を告げられたので、会社を辞めてイタリアへ" 第16話

社がらなかった数字

社との面談の、私は机のに枚の類を置いた。賞与細、評価区分Aの通、来度の担当範囲に関する回答、退職届の受理メール。どれも会社が正式に発したもので、私の記憶を補うためのではない。本は夕方、フィレンツェは午だった。画面に映った神浩社は、入社式で見たより疲れて見えたが、その印象をにはしなかった。

「この度は申し訳ありませんでした」と社は最初にをげた。私は「今は事実確認としてお受けしています」と答えた。社は頷き、私の退職が「の都」とだけ報告され、賞与が零円だったことはホテル案件の説資料を調べるまでらなかったと話した。らなかったという言葉で、経営責任が消えるわけではない。私は、誰がいつ判断したかを確認したかった。

社は事と相談窓の調査を経て、賞与の決裁メールを確認したという。個名の部を伏せた画面共には、専務が「藤崎には今回はゼロでいい。危を持たせる」といた文面が映った。続くには、私の宅ローンに関する言及があった。「歳で今さら辞めないだろう」。私は文字を読み終え、しばらく黙った。瀬から聞いた言葉が、今度は経営の記録として目のに置かれた。

「その報はどこからたのですか」

広告

と私が尋ねると、社は末調の類を扱う過程で、業務必のない範囲に報が共された疑いがあると説した。社内で確認と正をめ、正式な結果を文でらせるという。私は「私のローンは、賞与を決める材料ではありません」とだけ伝えた。社は「その通りです」と答えたが、私が欲しかったのは同ではなく、度と同じ判断ができない仕組みだった。

社は次にホテル案件の状況を説した。専務の律値げ方針は見直し、欧州調達の判断から専務をす方向でめているという。取引先の産枠はまだ確定しておらず、顧客への説期限が迫っている。私は「価格をげること自体が悪いとはいません」と答えた。「ただし、何を変え、何を守るかを決めずに律という数字だけをせば、相は約束を続けられません」。社は途でを挟まず聞いていた。

「藤崎さんが残した資料を読みました」と社は言った。「あれを会社の仕組みにしてこなかったことが問題だったといます」。私は寺の名をした。彼女は判断者を確認しながら仕事をめているが、責任までで背負わせてはいけない。社は任の権限と支援体制を見直すと答えた。私は、その約束を事や役員の決定として記録に残すよう求めた。

広告

私がするための言葉ではなく、寺が使える仕組みが必だった。

社は「専務の処遇についてもご説すべきでしょうか」と尋ねた。私はし考えて、会社として調査した事実と正内容はりたいが、個への処分を私の希望で決めてほしくはないと答えた。を罰することが目になれば、問題はまた誰かの性格のせいにされる。私の宅ローンを賞与の判断に使えた経と、退職した社員の名を責任者に残せた続きこそ、会社が見直すべき部分だった。

面談の終わりに社は「退職を考え直していただけないでしょうか」と尋ねた。私は首を横に振った。「私が辞めたのは、零円という数字が嫌だったからだけではありません。零円にしても辞めないだと、私の活まで勝に判断されたからです」。社はしばらく黙り、「その通りだといます」と答えた。私は、会社が事実を認めたことと、自分が戻るかどうかは別だと伝えた。

通話を終えると、フィレンツェの朝がそのまま続いていた。ではのがをまき、くの窓からラジオが聞こえる。私は類を揃え、賞与細を番に入れた。零円のは変わらないが、私ので占める所はしさくなった。これからは会社の説を待つために々を過ごすのではない。

必な回答は受け取り、自分の活を先へめるだけだ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: