みかん小説
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"家族投票の三日後" 第11話

登記簿謄本の鉄槌

広に満ちていたのは、が痛くなるほどの完全な静寂だった。

「園寺……社……? 翔太さん、何を言ってるのよ」 結は糸の帯を両で押さえながら、引き攣った笑いを浮かべた。 「この子は美緒よ? うちのでさえない妹! エニシなんとかっていう企業の社なわけないじゃない!」

「黙れ、この無が!!」 翔太の喉から、裏返った鳴り声が迸った。額には粒の脂汗が吹きし、等なネクタイを乱暴に緩めている。 「エニシ・インベストメントの法務総括である黒川先が、偽物の横に侍るわけがないだろうが! 業界で黒川先の顔をらないがどこにいる!」

昭夫がにワインをこぼしたまま、いつくばるようにしてちがろうとした。 「お、おい……美緒……これ、どういうことだ? お、何を企んでるんだ?」

私は父を瞥もせず、隣に控える黒川へ線を送った。 黒川は静かに頷き、アタッシュケースから取りした純のを、広の央――鮑や伊勢老が並ぶ絢爛な塗りの座卓のへ、ピシャリと叩きつけた。

法務局の赤い公印が鮮やかにる、産登記簿謄本の原本。

「野昭夫様、加代子様、ならびに結様」 黒川の徹な声が、静まり返った広の隅々まで染み渡る。 「こちらの甲区、所者欄をその目でご確認ください。現の砂楼のならびに建物の単独所権者は――『株式会社エニシ・インベストメント』。

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そしてその全株式を保し、代表取締役を務めているのが、目のにいらっしゃる園寺美緒社です」

「な……な……」 昭夫が震える指で謄本を掴み、文字を目で追った。 「嘘だ……嘘だろ……! 、うちの借億千万が消えたのは……俺のの信用と経営腕を評価した匿名の投資ファンドが、善で融資してくれたからじゃ……!」

「そんな都のいい奇跡が、資本主義社会にするはずがないでしょう」 私のたい声が、父の甘い妄を真っつに切り裂いた。

「、倒産寸のあなたたちを見かねて、私が個資産をすべて投じて負債を全額買い取ったのよ。両親に自力でやり直す会を与えたくて、私が裏方の事務員としてをすすりながら、毎百万円の架空宿泊費をファンドから流し込んで赤字を補填し続けていた。……それをあなたたちは、自分たちの実力だと勘違いして、級を買い、贅沢昧にけ暮れていたのよ」

広の空気が、文字通り氷点まで凍りついた。 親戚たちが互いに顔を見わせ、持っていた箸を取り落とす音が、あちこちからカタカタと響いた。

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