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"家族投票の三日後" 第12話

エリート婚約者の裏切りと破断

「う……嘘よ……!」 結が着物の裾を踏みながら、ヨロヨロと翔太の元へ駆け寄り、その腕に縋り付いた。 「翔太さん! こんなの何かの違いよ! 美緒が私たちを脅すために類を偽造したのよ! あなたの会社の力で、このペテン師たちを追いして!」

だが――翔太の瞳に宿っていたのは、のなどではなかった。 獲物を狙う獣のような、底れぬ憎悪とりだった。

「触るなッ!! この疫病神が!!」

ドサッ!!

翔太は力任せに腕を振り払い、結の肩を突きばした。 結は無様に畳のを転がり、数百万円の京友禅の袖が、こぼれたワインの赤に無残に染まった。

「きゃあっ……!? しょ、翔太さん……?」 にをつき、信じられないものを見るように見げる結。

「ふざけるのも概にしろ!」 翔太は唾を撒き散らし、に置かれた桐箱入りの結納を鷲掴みにした。 「俺はおの実の資産価値を担保にして、会社の穴を埋めるために結婚してやろうとしてたんだよ! それが何だ!? も建物も全部のもの!? 借まみれの空っぽの旅館だと!?」

「え……? 担保……? あ、あなた……私をしてるって……」

「してるわけあるか、この見栄っ張りのバカ女が!」 翔太のから、結が信じ切っていた『エリートの』の醜悪な本音が次々と暴されていく。 「おが毎毎『うちの旅館は格式がある』『資産は何億もある』と自するから乗ってやったんだ! 蓋をけてみれば、ただの居候じゃねえか! こんな詐欺師との婚約なんぞ、今この瞬に破棄だ! 結納は返してもらう!!」

「いやぁぁぁっ! 嘘よ! 私の結婚が……私のセレブ活がぁぁっ!」 髪を振り乱して叫ぶ結。 しかし、翔太の破滅は、婚約破棄程度で済むはずがなかった。

「條翔太さん」 私が静かに名を呼ぶと、翔太の肩がビクンとねがった。

彼は結納の箱を抱えたまま、怯えきった子犬のように私へ向き直り、そのに膝をついた。 「び、美緒社……! 誤解です! 私はこのに騙されていた被害者なんです! あの、広であなたを侮辱したのも、この愚かな族に話をわせただけで……!」

「見苦しい言い訳は、警察と検察のために取っておきなさい」

私の酷な宣告に、翔太の喉がヒュッと鳴った。

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