"昭和38年、つなぐなと言われた救急電話" 第10話
分
澄子は事故当夜の刻を枚のへ並べた。
午1020分。
発破用資材を薬庫から搬。
午1054分。
夜発破。
直。
林勝雄負傷。
午1120分。
奥沢診療所へ搬入。
午1135分。
藤沢、町病院への搬送が必と判断。
午1143分。
回目の救急話。
接続拒否。
午1149分。
回目。
接続拒否。
午1151分。
信濃建奥沢事事務所から松本本社へ、話接続。
午1155分。
回目の病院接続依頼。
拒否。
午1157分。
澄子、械へ移させられる。
午1158分。
藤沢、警察への接続依頼。
原が受け、接続せず。
午003分。
信濃建松本本社から奥沢町役建設課宅へ話。
午010分頃。
丸運送のが診療所へ向かう。
途、原敏夫に止められる。
午108分。
林勝雄、。
事故から分。
診療所へ運ばれてから分。
最初に病院を求めてから、分。
澄子はを見つめた。
つつは別のに見える。
しかし刻を並べると、本の線になる。
勝雄を助けるためのきだけが止められ。
会社側の連絡だけはいている。
翌。
部局の監督員、片桐が再び交換所へ来た。
今度はではなかった。
「宮坂さん。もう度話を聞きます」
原は別へ呼ばれた。
妙子も。
澄子はが終わるまで待った。
夕方。
片桐が言った。
「線故障という報告は事実といません」
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澄子は黙って聞いた。
「なくとも分から分、正常に接続されています」
「はい」
「それから瀬さんが、診療所から警察への通話依頼があった能性を認めました」
澄子の胸がし軽くなった。
妙子は話した。
全部ではないかもしれない。
それでも話した。
「ただし」
片桐が続ける。
「話局の内部調査だけでは、事事故そのものまでは調べられません」
「では、どうすれば」
「あなたはもう資料を集めているんでしょう」
澄子は顔をげた。
片桐は机へ線を落とした。
「正式にへすなら、原本を勝に持ちしてはいけない」
それ以は言わなかった。
だが澄子にはが分かった。
正規の方法で提できる所がある。
労働基準監督署。
警察。
県の事を監督する部署。
そして公社の部監察。
問題は、自分の元にあるくが「き写し」だということだった。
原本が消されたら。
証がを閉ざしたら。
そこで勝負は終わる。
翌。
忠男から連絡が入った。
「宮坂さん。まずいです」
「何が?」
「発破材料の帳簿、差し替えるって」
「誰が言ったの?」
「所です」
「今の帳簿は?」
「事務所」
「持ちせる?」
「無理です」
澄子は考えた。
「写せる?」
「見つかったら終わります」
沈黙。
忠男は族持ちではない。
それでも仕事を失えば活できない。
「無理ならいい」
澄子が言った。
「もう分話してくれた」
話を切ろうとした。
忠男が言った。
「今夜やります」
「え?」
「全部は無理です。でも該当ページだけ」
「待って」
「勝雄、俺の輩だったんです」
声が震えていた。
「俺もあの、止めなかったから」
その夜。
誰もがしずつ、自分が黙った責任を抱えていた。
澄子だけではなかった。
藤沢。
妙子。
浦。
丸。
忠男。
そしてその責任を認めることが、ようやく同じ方向へをかし始めていた。
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