みかん小説
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"赤いガーベラと私の家" 第3話

初めて自分だけの朝

居で迎えた最初の朝、私はに目を覚ました。

の習慣だった。

目をけた瞬、ので順番を考える。

夫の弁当。

裕の朝。

みちるの筒。

洗濯。

ゴミ。

そこで気づいた。

何もしなくていい。

布団ので、しばらく井を見た。

のが静かだった。

誰も「シャツどこ?」と聞かない。

誰も洗面所を使った、浸しにしない。

器も増えない。

私はゆっくり起き、コーヒーを杯だけ淹れた。

朝はトースト枚。

洗う皿は枚。

「こんなに楽だったんだ」

わず独り言がた。

、事そのものが嫌だったわけではない。

誰かがんでくれれば、料理も洗濯も苦ではなかった。

苦しかったのは、やって当然だとわれることだった。

ありがとうもなく。

お願いもなく。

最初から私の役割として置かれていることだった。

午。

所にむ代の友、美子が訪ねてきた。

「築の匂いする!」

袋いっぱいの惣菜を抱えている。

「まだお皿も半分段ボールなの」

「じゃあ今はうちに来る?」

美子は私より歳。

以はドッグトレーナーとして働いており、今は夫とのドーベルマンを飼っていた。

。

空。

。

ともきい。

だが美子の指示には驚くほど素直で、初めて会ったこそし怖かったものの、慣れると穏やかな犬たちだと分かった。

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その夜。

美子のでハンバーグをご馳になりながら、私は母の絵の話をした。

「売った?」

美子は箸を止めた。

「勝に?」

「うん」

「お母さんが最に描いた絵でしょう?」

私は頷いた。

それまで泣かなかったのに、その初めて涙がた。

「取り返せないとう」

「アプリの取引履歴は?」

「みちるのアカウントだから」

「商品ページ、まだ残ってない?」

私はスマートフォンをした。

みちるの公アカウントは以からっていた。

ページを遡る。

バッグ。

化粧品。

。

雑貨。

そして見つけた。

《ハンドメイド ガーベラ鉛画 額付き》

千百円。

SOLD。

写真には、母の絵が写っていた。

説欄には、

《親戚が描いたものです。断捨のため品します》

とある。

が震えた。

「保しなさい」

美子が言った。

「スクリーンショット全部」

私は言われた通りにした。

「運営に連絡してみたら?」

「でも、売ったのはもう発送済みよ」

「それでも勝に売られた物だって証拠は残るでしょう」

その言葉で、しだけが働き始めた。

私はずっと「族のことだから」としてきた。

でも族だからといって、の所物を好き勝に扱っていいわけではない。

「それにね」

美子は私を見た。

「子、これからはっていいんだよ」

「っていい?」

「うん。嫌なことを嫌って言っていい」

元へが来て、私の膝へ先を押しつけた。

私は笑った。

「の方がうちの息子より優しいわ」

「うちの子たちはみんな優しいから」

美子も笑った。

久しぶりだった。

誰かと話しながら笑うのが、こんなに楽だとったのは。

その夜帰宅し、私はフリマアプリの運営へ連絡した。

母が描いた点物であること。

所者である私の許なく品されたこと。

品ページの画像。

母の入院に撮った、絵を持っている写真。

能な範囲で資料を送った。

どうなるかは分からなかった。

でも何もしないよりいい。

さな歩だった。

まさか、その数週。

母の絵とはまったく別の問題で、裕がとんでもない話をかけてくるとは、このの私はまだらなかった。

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