みかん小説
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"赤いガーベラと私の家" 第16話

赤いガーベラので

以のをて、以が過ぎた。

私の活は驚くほどさくなった。

そして、そのささがよかった。

器は必な分だけ。

洗濯は週に数回。

夕飯を作りたくなければ作らない。

休にはリオと公園へく。

美子と、空、にもよく会う。

パートのをし減らし、昔好きだった彩画教にも通い始めた。

絵を描くのは、学以来だった。

最初の授業。

先に何を描きたいか聞かれた。

私は迷わず答えた。

「ガーベラです」

へ帰り、母の絵の隣へ自分の絵を並べてみた。

当然、母の絵よりしだった。

でも母の方が好きだった。

線が震えている。

びらも揃い。

それでも、病院のベッドで私のために鉛を握ってくれたが、その枚には残っている。

あの。

みちるに売られた。

私は、絵だけを奪われたのではないとった。

自分の切なものを切だと言う権利まで、軽く扱われたような気がしたのだ。

でも絵は戻った。

それ以に。

私自も戻ってきた。

ある夕方。

リオと散歩から帰る。

玄関をける。

「ただいま」

もちろん返事はない。

それでも寂しくなかった。

リオが先に入り、をむ。

私は買い物袋をキッチンへ置き、母のガーベラを見た。

「今も平だったよ」

母へ話しかける。

以なら、夕方はので番忙しかった。

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哲夫の夕飯。

裕の帰宅。

みちるの好み。

洗濯物。

呂。

翌朝の準備。

今は違う。

蔵庫には昨のスープがある。

パンもある。

それだけで分。

スマートフォンが鳴った。

裕からのメッセージ。

《来、みちると旅くことになった》

続いて、

《リオにお産買っていい?》

私は笑った。

《べ物は勝に買わないで。アレルギーあるかもしれないから》

すぐ返事。

《解》

昔なら、そんな注をすると、

《細かいな》

と返されたかもしれない。

今は「解」。

は急には変わらない。

私だって同じだ。

これからまた嫌なこともあるだろう。

境界を越えられそうになることもある。

そのはまた言えばいい。

嫌です。

無理です。

それは私の物です。

ここは私のです。

そんない言葉を、私は歳になるまでに言えなかった。

けれどもうっている。

族を切にすることと、自分を粗末にすることは同じではない。

誰かの母親でも。

誰かの妻でも。

私は私のを持っている。

窓のが夕焼けになった。

リオが私の元へ来て横になる。

壁には、母の赤いガーベラ。

その隣には、私が描いたし格好なガーベラ。

私は枚を眺めながら、湯を沸かした。

ジャスミンティーを杯。

昔、美子に息子夫婦の相談をしたファミレスでんだは、あんなに苦くじたのに。

今は、ちゃんと好きながした。

誰かに作るためではない夕飯。

誰かを待つためではない。

誰かに許をもらわなくてもいい。

私はカップを持ってソファへ座った。

リオが隣へ来る。

そして母の絵を見ながら、さく笑った。

「お母さん」

あの保険で買ったものは、だけではなかった。

私はようやく、自分のを自分へ返してもらったのだ。

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