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"成人式に消えた母と十三着目の振袖" 第5話

2の公証役

保管箱のファイルには、乃とライフサポートが作った47件のローン契約の原本が入っていた。うち13件は契約者の承諾が確認できず、5件はすでにくなった女性や実しない勤務先の名義だった。俊夫は施設へ振袖の寄付を申して分証の写しを集め、千鶴は無料撮会と称して女性たちへ同じ装を着せていた。

奈津子も最初の2は異常に気づいていなかった。担当印を貸したままにし、売が伸びたことをんでいた記録がある。被害者の1が督促状を持ってへ来たとき、俊夫から《本が忘れているだけ》と説され、それ以追及しなかった。母もまた、姉妹で築いたを信じたい気持ちから、被害の発見を遅らせた側だった。

奈津子の調査記には、その女性をから帰したのことが何度もき直されていた。《泣いていたのに、私は次の予約客を待たせるなと言った》。詐欺をるの為だから責任はないと片づけず、自分が側の肩を信じ、客を疑ったことを記録している。そのの救済は、この最初の失敗を消すものではなかった。

紗季名義の契約では、父の印鑑登録証まで添付されていた。届のあと無効になるはずの証を、俊夫がに別の融資で預かった写しから複製している。

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族経営のでは、戸籍、印鑑、学名、勤務先が互いにられていた。そのさが審査類を本物らしく見せていた。

葵が首の痣を見せ、署名をされたと告したことで、奈津子はようやく全契約を調べ始めた。乃の顧客印は鍵のかかる棚に保管されていたが、俊夫は鍵を持ち、申込の印を組みわせていた。真壁の写真は商品引渡しの証として信販会社へ送られ、同じ振袖が13件の販売に使われていた。

保管箱には、紗季名義のローン契約もあった。申込は彼女が17歳だった2011、額は138万円で、親権者同欄にはくなった父の名がかれている。父はそのにしており、契約が成するはずはなかった。それでも信販会社は俊夫の説を信じ、乃へ代を支払っていた。

紗季へ成式のに署名させようとした類は、母の横領を返す確認ではない。過の無効な契約を、成した本が追認したように見せる同だった。紗季が署名すれば、父の同を偽造した事実も、未成者名義を使った事実も隠せる。奈津子のメモは、娘の信用報を守る最の警告だった。

指定の本文には、《私は葵さん親子を全な所へ送り、原本を弁護士へ渡したら戻ります。戻れなければ、千鶴ではなくの相談窓へってください》とあった。

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母は妹を信用していなかった。それなのに、は千鶴にけられ、娘へ届かないまま10保管箱へ戻されていた。

千鶴が保管箱の所をった経緯は、ファイルの奥にある録音データで分かった。奈津子は消える朝、妹へ証拠の部と鍵のを伝え、俊夫を止めるよう求めていた。千鶴は泣きながら協力を約束し、夫にはらせないと言っている。その会話から30分、俊夫は警察署へ現れた。

千鶴は姉を守れなかっただけではない。自分で計画を夫へ漏らし、娘へ残されたを封していた。にもかかわらず紗季を引き取り、10、母に捨てられた子どもとして育ててきたのである。

録音の最には、奈津子が妹へい声で問いかける部分があった。「もし私が戻らなかったら、紗季に本当のことを話せる?」。千鶴はすぐ返事をせず、い沈黙のあとで《必ず話す》と答えていた。

紗季は叔母のへ向かわなかった。録音と契約を複数の保管先へ移し、警察、弁護士、信販会社へ同に提した。母が1か所だけを信じて失敗したなら、自分は証拠がどこか1つで消されても調査が続く形を作る必があった。

その過程で、ファイルに挟まれた別の公正証が見つかった。作成は201698、奈津子が失踪してから28か。内容は、奈津子が相続した乃の舗持分を千鶴へ譲渡し、今は娘の紗季へ直接接触しないと約束するものだった。

署名は跡鑑定で奈津子本のものと判断された。公証役の保写真にも、痩せた奈津子が千鶴と並んで座る姿が残っていた。

千鶴は、姉が成式の朝にきてをたことをっていた。それだけではない。

失踪から2、母と会い、娘へづかないという約束へ署名させていた。

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