みかん小説
本棚

"成人式に消えた母と十三着目の振袖" 第7話

13の名義が声をげた

奈津子が持ちした240万円は、警察にも保険会社にも報告されていなかった。乃の帳簿では《撮会注費》として処理され、現で引きされたあと使途になっている。引伝票には奈津子の署名があり、跡鑑定でも本のものと認められた。

千鶴はこの事実を根拠に、姉は結局を盗んだのだと記者会見をいた。960万円でなくても横領は横領であり、自分たちは被害者だったと訴えた。俊夫は紗季へ、調査をやめれば名誉毀損の訴えを取りげ、学費の返還も求めないという解案を送ってきた。

紗季はすぐ拒絶せず、回答期限までの10を使って240万円の方を調べた。現を引きしたの午、奈津子は児童養護施設や母子支援施設のくにある郵便局を7か所回っていた。防犯映像は残っていなかったが、古い送控えを照すると、架空契約の被害者8へ30万円ずつ送られている。

送名義は乃ではなく《成式契約返還窓》で、差所は役所だった。正式な返還ではないうえ、説もないため、受取のうち3は審にってを使わず保管していた。奈津子はの正資から現を抜き、被害者へ勝に返したのである。

目が救済でも、会社のを正式な続きなくかした責任は残る。

広告

しかも被害者全員へ均等に返したわけではなく、奈津子が連絡できただけを選んでいた。紗季は母を無実のとして発表せず、《960万円の窃取は虚偽だが、240万円の無断持しは別に検証する》と声へ記した。

その姿勢を見て、名義を使われた女性たちがしずつ名乗りた。最初の1は、当母子活支援施設にいた本絵里だった。督促状を持って乃へった際、奈津子から謝罪され、署名していないなら支払わなくてよいと言われたが、その翌からと連絡が取れなくなったという。

絵里は、奈津子を全面に擁護しなかった。30万円が届いたことで活は助かったものの、事を説されないまま犯罪のを受け取ったのではないかと10怯えたと話した。「助けるなら、私にも何をするか選ばせてほしかった」。その言葉は、母を探す紗季自のりとなった。

13のうち、連絡が取れた9が共同で信販会社へ異議を申してた。者名義の契約は遺族が資料を提供し、施設職員も分証の写しを乃へ渡した経緯を証言した。同じ振袖、同じ撮背景、同じ販売担当印が並ぶことで、個の記憶違いではなく組織な仕組みが見えるようになった。

最初の説会では、被害者同士も見が分かれた。名を公表してを追及したいもいれば、昔施設にいたことを職や配偶者へられたくないもいた。

広告

紗季はつの共同声へ全員を並べず、匿名、代理名、実名の3通りを用し、参加しない選択も残した。

絵里は実名で話すことを選んだが、奈津子の娘を助けるためではないと言した。自分の信用報を自分の言葉で訂正するためであり、誰かの族を証する材料にはならない。紗季はその条件を声の冒へ置き、母の名誉回復より被害者の契約取消しを先に求めた。

信販会社は内部審査の備を認め、残債を取り消し、信用報から延滞記録を削除すると発表した。支払い済みの額には利息を加えて返還されることになり、した女性の契約についても遺族へ謝罪した。乃だけでなく、本確認を省略した側の責任も初めて公になった。

保険会社は乃の1200万円請求を詐欺の疑いで告訴した。裁判所はライフサポートの座と俊夫夫婦の産を仮差押えし、閉直に別会社へ移された装と両も保全対象にした。俊夫が紗季を黙らせるために始めた会見は、13の被害者が同じへつきっかけになった。

記者から《母親の横領をどう考えるか》と聞かれた紗季は、母の為を美談にしなかった。「返すべき相へ返そうとした目と、本へ説せず会社のをかした方法は分けます。母の責任を認めることと、叔父たちの詐欺を見逃すことは同じではありません」

。その答えに、千鶴は会見のろで顔を伏せた。

最初の反撃は成功した。紗季の休職処分を求める訴えは退けられ、俊夫側の記事には訂正が掲載された。マンションの落きに使われたペンと消器から、再雇用された元従業員の指紋も見つかり、本は俊夫から《し怖がらせろ》と指示されたと供述した。

その夜、紗季へ非通の話がかかってきた。女性は名乗らず、《13番の振袖を警察へ渡したのはあなたですか》と尋ねた。紗季がそうだと答えると、話の向こうで子どもの声がし、女性は息をえてから言った。

「私は瀬葵です。奈津子さんが消えた本当の理由をっています」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: