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"成人式に消えた母と十三着目の振袖" 第11話

妹が守りたかった

奈津子が横浜へ戻る、千鶴は弁護士を通じて紗季へ面会を求めた。夫に命じられていただけで、自分も支配されていたと主張し、俊夫の材会社に関する資料を渡す代わりに減刑へ協力してほしいという。紗季は取引の権限がないと伝え、捜査関へ直接提するよう求めた。

千鶴は姪と2でなければ話さないと言ったが、紗季は弁護士と録音なしの面会を受けなかった。10、母と叔母が密で交わした約束が、族という言葉のでき換えられたからだ。面会には第者を置き、記録は双方が同じものを受け取る条件にした。

千鶴は、乃がもともと父から奈津子へく相続されただったとかした。着物の仕てができる姉には60%、接客と経営を担ってきた自分には40%。表にち、を広げたのは自分なのに、も商標も姉の同なしにはかせないことを、公平だとじていた。

姉妹の父は、職である奈津子を継者と呼び、接客が得な千鶴には《先につ子》という役割しか与えなかった。奈津子が夫をくして経営から距を置いたあとも、持分は変わらない。千鶴は姉の娘を育てることで、父が姉へ与えた族のまで自分のものにしたい気持ちがあったと認めた。

ただし、その過が犯罪を必然にしたわけではない。

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同じ扱いを受けても、分証を盗み、姉を失踪者へ仕てる以の選択はいくつもあった。紗季は祖父の偏りを理解しながら、それを被害者からを奪う理由には使わせなかった。

俊夫が架空ローンを提案したとき、千鶴は最初の2件だけなら資繰りをつなげるとい、無料撮会の名簿を渡した。売が戻れば契約を解消し、誰にも迷惑をかけないつもりだったという。だがが入ると2号をし、自宅を買い、紗季の学費も払った。を守るという目は、いつのにかに入れた活を守る理由へ変わった。

「あなたを育てた気持ちまで嘘じゃない」

千鶴は泣きながら訴えた。成式のあと紗季を引き取り、をせば病院へ連れてき、就職面接のも選んだ。姉を失踪者にした罪と、姪を切にした10は両方本当だと話した。

紗季は、そのまで否定しないと答えた。だからこそ、世話をした事実を、母のを奪い、偽契約で脅す権利へ換えないでほしいと告げた。がしでも本物なら責任が軽くなるのではない。信頼されていたが利用したから、傷がくなったのである。

奈津子の持分を得たあと、千鶴は舗をライフサポートへ無償にい価格で移し、その会社から額の役員報酬を受けていた。公正証で約束した被害者補償基は作られず、姉へ渡した収支表も偽造されていた。

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奈津子はを放せば被害者へ返されると信じたが、実際には妹夫婦の借入担保に使われた。

決定だったのは、千鶴が保管していた録音の元データだった。編集の会話には、俊夫が退したあと、奈津子が《紗季へ真実を話して》と頼む面がある。千鶴は《今さら母親に戻れるとわないで。あの子は私を必としている》と答え、接触禁止条項を自分から追加させていた。

千鶴が守りたかったのはだけではない。姉より選ばれる叔母、自分こそ紗季を育てた母親だというを失いたくなかった。姉の犯罪を信じる姪がそばにいる限り、自分の裏切りは献に見える。だから俊夫の脅しがなくなったあとも、真実を話さなかった。

俊夫の材会社からは、就職相談会で集めた分証を使った保証契約が22件見つかった。若者へ社宅を紹介すると説し、実際には関連会社の事業融資の連帯保証欄へ名を使っていた。千鶴は相談会の受付を担当し、本確認類をコピーしている。夫に命じられただけという説は通らなかった。

奈津子は警察へし、240万円の持し、帳簿の複写、葵親子をの寮から連れした経緯を自分の言葉で説した。俊夫たちの取調べとは別で供述し、娘や葵へ利になるよう事実を飾らないと約束した。

真壁も当のけがの診断と、奪われるに撮した契約画像を提した。

警察署をる奈津子へ記者が集まり、《娘とのの再会》について尋ねた。奈津子はち止まり、「娘は私を見つけました。でも、見つかったが族へ戻れるとは限りません」とだけ答えた。紗季はその会見を自宅で見たが、隣には座らなかった。

数、俊夫と千鶴は詐欺、私文偽造、保険詐欺、などの容疑で逮捕された。千鶴はへ乗る直、紗季の名を呼んだ。紗季は振り返ったが、づきも、許すとも言わなかった。

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