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"二十六年目の告白" 第11話

の息子、それぞれの夜け

初の澄んだ空気がを包む曜の午。 郊の駅にある静かな喫茶のテラス席に、の青が向かいって座っていた。

運ばれてきた湯気のつブレンドコーヒーのカップをに、誠と達也は、しばらくの、無言のまま互いの顔を見つめっていた。

、同じ病院で、わずかの違いでこの世にを受けた。 方は、憎悪の対象であるの子だと父親に誤認されたことで莫な教育と偏執なを受け、正妻のい慈によって真っ直ぐに育った。 もう方は、正妻の子だとに誤認されたことで復讐の具としてネグレクトと暴力を受け、見らぬ匿名の支援者の善によって辛うじて命を繋ぎ止めてきた。

たちの勝で醜悪な嘘によって、のレールを極端に歪められたつの運命。

「……達也さん」 先に沈黙を破ったのは、誠だった。誠はカップからをし、姿勢を正してくをげた。

「僕から、謝らせてください。僕が何自由なく学まで通い、何気ない顔できてこられたで……あなたがどれほど辛い目に遭ってきたかとうと、本当に申し訳ない気持ちで胸が潰れそうになります」

達也は驚いたように目を見張り、慌てて両を振った。

「やめてください、誠さん。

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をげてください」 達也の声音は穏やかで、そこには誠に対する嫉妬や憎悪の棘は微もじられなかった。 「誠さんが謝る必なんて、何つありません。僕たちは、ただあのの勝な企みに巻き込まれた被害者に過ぎないんですから」

達也はコーヒーにをつけ、ふっと窓のの並を見つめた。 「……正直に言えばね、昔は世界のすべてを憎んでいました。どうして自分だけがこんなアパートで、母親から『あんたなんかまなきゃよかった』と鳴られながら、たいご飯をべなきゃいけないのかって。でもね、先からゆみさんのや支援を受け取った、わかったんです」

達也は誠に向き直り、静かなを宿した瞳で微笑んだ。

「ゆみさんは、僕を助けるために、もの、獄のような孤独に耐えてくださった。もしゆみさんがあの夜、真実をぶちまけて父親と縁を切っていたら……僕は施設に送られるか、もっと酷い目に遭って野垂れんでいたかもしれない。ゆみさんが耐えてくれたからこそ、僕はをて、就職して、こうして自分のを歩みすことができたんです」

「母さんは……ずっと、あなたのことを気にかけていました」 誠の声がわずかに潤んだ。 「スーパーであなたを見かけたの夜、母さんが仏壇ので、声を殺して泣いていたのを覚えています。

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当は理由が分からなかったけれど……自分の本当の息子を守るために、目ののもうの子どもを直接抱きしめてやれない苦しみに、母さんのはずっと張り裂けそうだったんだといます」

「っています」 達也は力く頷いた。 「だから、僕はゆみさんをむどころか、から尊敬し、謝しているんです。……誠さん、あなたは本当に素らしいお母さんに育てられましたね。それが、僕にとっても唯の救いなんです」

の線が交わり、自然とどちらからともなくが差しされた。 ガシッと力く握りわされた、つの若く逞しい掌。

血の繋がりを超え、理尽な過を乗り越えた青たちの魂が、のを経て、初めて本当の兄弟のようにく結びついた瞬だった。

「僕、しい職で、来から正社員に登用されることになったんです」 達也がし照れくさそうに胸を張った。 「さな物流会社ですが、みんな温かいたちばかりで。これからは、誰の顔も窺わず、自分の稼いだおで、自分の未来を作っていきます」

「応援しています、達也さん」 誠は満面の笑みで頷いた。 「今度、母さんとで、ご飯でもべにきましょう。母さん、料理が得なんです。特に煮込みハンバーグは絶品ですから」

「……はい。んでお邪魔します」

の笑い声が、初の柔らかな差しのに溶けていった。

親たちが撒き散らした毒は、子どもたちのによって完全にされ、たな命の糧へと昇華されていた。

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