みかん小説
本棚

"母に贈った家を狙う親戚夫婦" 第6話

は何事もなかったようにテレビを見ている。

「おかえり」

浩司が振り返った。

「遅かったな」

私は返事だけして母の寝へ入った。

仏壇の引きしではない。

本当の保管所を私はっている。

母は棒対策として、通帳や印を防災リュックの底に入れていた。

取りす。

通帳。

印鑑。

額の現。

すべて無事だった。

私はそれらを自分の鞄へ移した。

部をようとした、廊のスーツケースに赤い封筒が置かれていることに気づいた。

浩司宛。

封はすでに切られている。

から枚のが半分見えていた。

《賃滞納に伴う契約解除・退通》

そのろには複数の督促状。

ようやく全てがつながった。

は母を助けるために来たのではない。

自分たちがむ所を失ったから来た。

浩司は翌朝、さらに言った。

「、残りの荷物を持ってくるから」

「残り?」

「蔵庫と洗濯。軽トラ借りたんだ」

里美が楽しそうに続けた。

「それを入れたら役所にもくつもり。所もこっちにするから」

は、本格に活拠点を固定するつもりだった。

しかしもう、私のには必なものが揃っていた。

翌朝。

のに軽トラックが止まった。

古い蔵庫。

へこんだ洗濯。

らない作業員。

浩司が庭から叫ぶ。

「そっち持ってくれ!」

私は玄関のへった。

「その荷物はつも入れないでください」

広告

浩司が笑った。

「まだ言ってんのか。今から正式にここへむんだよ」

「無理です」

「何?」

私は透なファイルをいた。

から登記報をす。

「あなたがずっと勘違いしていることを教えてあげます」

浩司の目のへ差しした。

「このは母のものではありません」

「は?」

「も建物も、所者は私です」

浩司の線が文字ので止まった。

《所者 森田裕子》

里美が横からを覗く。

「……どういうこと?」

浩司の顔から血の気が引いていく。

「おばさんのじゃないのかよ」

「母がんでいるです。でも所権は最初から私にあります」

私は浩司が何度も見せてきたを指した。

「だから母がいた“管理を頼む”というを、あなたがどれだけ振り回しても、このをあなたへ譲ることはできません」

作業員が蔵庫からをした。

「浩司さん、話が違うじゃないですか」

「待てよ」

「所者さんが入れるなって言ってるなら、俺は帰りますよ。こんなのに巻き込まれたくない」

軽トラックはりった。

庭には蔵庫台だけが取り残された。

私は浩司を見る。

「今すぐ荷物をまとめてください」

ところが。

追い詰められた浩司は、突然笑った。

「嫌だね」

「何?」

「名義がおなら何だっていうんだ」

彼はのへ戻った。

「俺たちはもうここで活してる」

里美の腕を引っ張る。

「追いせるもんなら、やってみろよ」

広告

リビングの引き戸が閉まる。

内側から鍵が掛けられた。

私は静かにスマートフォンを取りした。

浩司はまだらなかった。

私はすでに、彼が母の部を漁る映像まで保していた。

そしてそのの午。

彼自のから、度と言い逃れできない求を録音することになる。

私はすぐに警察へ駆け込まなかった。

まだ族の居トラブルとして処理される能性があるからだ。

先に弁護士へ連絡した。

「所者であることは伝えました。退も求しましたが、拒否されています」

『定していました』

「リビングにてこもっています」

『むしろ状況は確になりました。真の所者をったで、退求を拒否しているということです』

その、法律事務所から浩司夫婦宛てに正式な面が発送された。

私は母の施設へ向かい、とのやり取りをもう度確認し、証拠として保した。

へ戻ったのは午過ぎだった。

玄関には宅配ピザの箱。

リビングで浩司夫婦が事をしている。

「お帰り」

浩司は笑った。

「まだってんの?」

私は答えなかった。

すると浩司がコップを持ってづいてきた。

「裕子ちゃんさ」

声の調子が変わった。

「お互いの無駄だとわないか」

「何が?」

「俺たちだって、絶対ここじゃなきゃ駄目ってわけじゃない」

里美がこちらを見る。

「話しいで済むなら、その方がいいじゃない?」

私はスマートフォンをテーブルへ置いた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: