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"母に贈った家を狙う親戚夫婦" 第8話

までかせた。そして裕子が仕事ばかりで私を放っていると、所のにまで嘘をついた』

浩司の顔が歪む。

『それは助けいじゃないわ』

母の声がし震えた。

『裏切りです』

私は驚いていた。

幼い頃から、母はへ「嫌です」と言えないだった。

堂で同僚に仕事を押しつけられても断らない。

親戚にを貸してくれと言われれば、額でも渡してしまう。

町内会で誰もやりたがらない役があれば引き受ける。

自分がすれば丸く収まる。

ずっとそうしてきた。

その母が今、自分ので境界線を引いている。

「裕子ちゃんは仕事ばっかりじゃないか!」

浩司が叫んだ。

「そばにいなかっただろ。俺たちはおばさんを助けようと――」

『裕子は』

母の声がくなる。

『私のためにあのを建ててくれました』

浩司が黙った。

『あなたたちに渡すためのではありません』

「……」

『今すぐていって』

母は最にそう言った。

『これ以、裕子に迷惑をかけないでください』

通話が切れた。

浩司はスマートフォンを持ったままかなかった。

里美も顔を伏せている。

私はゆっくり言った。

「これで分かったでしょう」

浩司が突然スマートフォンをへ投げつけた。

「ふざけるな!」

声が響いた。

「全部おが洗脳したんだろ!」

私へ詰め寄る。

「このは親戚のものだ! 俺だって内なんだよ!」

「所権に親戚の順番なんてないわ」

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「法律、法律ってうるせえんだよ!」

浩司は私の肩をく押した。

私はろへ歩よろめいた。

里美が青ざめる。

「浩司!」

しかし彼は止まらなかった。

「警察でも何でも呼べよ。絶対ていかないからな!」

そう叫び、リビングへ戻る。

里美もを追う。

また引き戸が閉まった。

私は肩へを当てた。

鈍い痛みが残っている。

ここまでは親族の財産争いとして慎にめてきた。

しかし今。

確に体を押された。

退の条件としても求された。

私は玄関のへた。

扉を閉じる。

スマートフォンを取りす。

今度は迷わず110番した。

「事件ですか、事故ですか」

「親族を名乗る男女が、私名義のから退を拒否しています」

私はく息を吸った。

「銭を求された録音があります。それから、先ほど体を突きばされました」

もう、母にさせて終わらせる気はなかった。

分ほどして、台のパトカーが静かにまった。

配の警察官と若い巡査がりてくる。

私はので待っていた。

「森田さんですね」

「はい」

「親族で揉めていると聞いています」

最初は慎な調だった。

当然だとう。

親戚同士の居問題だけなら、事は簡単ではない。

私は順番に資料をした。

「このと建物の所者は私です」

登記報。

「母はこのにんでいるだけで、所者ではありません」

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次に警備会社の記録。

「は母が入院するから、母のを利用して予備キーでへ入っています」

さらに母とのメッセージ。

「依頼内容は換気と着替えの回収だけです。同居の許はありません」

警察官がつずつ確認する。

最にスマートフォンをした。

「そして今、退を求めたところ百万円を求されました」

録音を再する。

《ち退き料として300万円払え》

浩司の声。

《払ってくれるならていってやる》

里美の同する声も入っている。

配の警察官の表が変わった。

「それから?」

「求を拒否した、浩司に肩を突きばされました」

「怪は?」

「きなものはありません。ただ、まだ痛みがあります」

警察官は頷いた。

「に案内してください」

リビングの引き戸は内側から閉められていた。

若い巡査がノックする。

「警察です。けてください」

で何かがく。

数秒。

ほんのし扉がいた。

浩司が顔をす。

制を見た瞬、顔がくなった。

「何ですか?」

「こちらのお宅に関する通報がありました」

「ただの族喧嘩ですよ」

浩司は作り笑いを浮かべた。

「文おばさんにの管理を任されてまして」

またを取りそうとする。

警察官が止めた。

「その件についても聞いています」

「だったら――」

「この産の所者は森田裕子さんですね」

浩司のが止まる。

「それから退の条件として百万円を求した音声も確認しました」

「冗談ですよ」

「冗談かどうかも含めて事を確認します」

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