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"母に贈った家を狙う親戚夫婦" 第9話

「親戚同士なんだから」

「親戚かどうかと、体を押したことは別です」

警察官の声がくなった。

「今も所者のに反してここへ留まり、さらに揉め事が続くのであれば、こちらも必な対応を取ります」

ソファで里美が震え始めた。

「私、る」

突然ちがる。

「浩司、もう無理よ」

「何言ってんだ!」

「警察にまで来られたら本当に終わりじゃない!」

里美はスーツケースへ類を詰め始めた。

「おい、待て!」

「待たないわよ。あんたが“丈夫だ”って言うから来たのよ!」

夫婦喧嘩まで始まった。

警察官が止める。

「落ち着いてください」

浩司は私を睨み続けた。

だがもう、盾になるものがない。

母も方しない。

名義も違う。

警備記録もある。

録音もある。

警察まで来ている。

やがて彼はゴルフバッグを掴んだ。

「覚えてろよ」

「母の施設へづかないで」

私は言った。

「もし同じことをすれば、今度は最初から警察と弁護士を通します」

浩司は何も返さなかった。

玄関をる。

には、パトカーに気づいた所のが何か集まっていた。

自治会の佐藤さんもいる。

「あら、浩司さん?」

彼女が声をかけた。

「何かあったの?」

浩司は顔を伏せた。

「何でもない」

里美と、逃げるように宅を歩いていった。

しまで「親戚を助ける派な夫婦」を演じていただった。

その背を、所のたちが無言で見送っていた。

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私はへ戻った。

テーブルにはべかけのピザ。

空き缶。

使いっぱなしの器。

ゴルフのトロフィーを置くために端へ追いやられていた母のデジタルフォトフレーム。

私は窓をけた。

夜のたい空気が入る。

つ終わった。

しかし、まだ母へ話していないことがあった。

このを建てるまでの。

私は母に、ずっとつだけ嘘をついていた。

翌朝。

私はの窓をけた。

浩司たちの残したゴミを捨て、テーブルを拭く。乱雑に押し込まれていた母のフォトフレームを飾り棚の央へ戻した。

源を入れる。

が完成したの写真が映る。

しい玄関の。

母と私。

母は泣きながら笑っていた。

「こんな、本当に私がんでいいの?」

完成したに何度も聞かれた。

私は「会社員としてく働いたから、それくらいの貯はある」とだけ言った。

本当のことは話していなかった。

施設へく。

母は私の姿を見るなり言った。

「昨、本当にごめんなさい」

「お母さんが謝ることじゃない」

「私がなんかかなければ……」

「もう終わったよ」

が退したことを伝える。

母はした、寂しそうに俯いた。

「私ね」

しばらくしてをく。

「に断るのは悪いことだとっていたの」

「うん」

「浩司も商売に失敗して変なんだろうなって。困ってる親戚を追い返したら、私がたいになるような気がして」

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私は子をづけた。

「お母さん」

「何?」

「今は、私もずっと隠してたことを話す」

母が議そうに見る。

「私のアパート、度も来たことなかったでしょう」

「あなたが会社の借りげでいいところにんでるから、わざわざ来なくていいって」

「嘘だった」

母の目が丸くなる。

「会社のマンションなんてんでなかった」

私は笑った。

「築い古い造アパート。は窓の隙からが入って、朝なんて部のでも息がくなることがあった」

「どうして……」

「かったから」

「でもあなた、お料はちゃんともらってるって」

「もらってたよ」

私は母のを握った。

「そのほとんどを貯してた」

母がかなくなる。

「同期がを買ったも、私は古に乗り続けた。旅へ誘われても断った。もしなかった。毎お弁当作って現へ持ってった」

「何……?」

「」

母の唇が震えた。

「どうしてそんなことを」

「このを建てるため」

母の目から涙がこぼれた。

「お母さんの、昔いつも荒れてたでしょう」

私は覚えている。

。

赤くひび割れた指。

母は堂から帰ると、しだけ夕をべて、また清掃の仕事へていった。

学だった私は、「ってらっしゃい」と言うことしかできなかった。

「昼も夜も働いて私を育ててくれた」

私は続けた。

「だからになったら絶対、お母さんが働かなくてもして暮らせる所を作ろうとってた」

母は顔を覆った。

「段差をなくしたのも、廊を広くしたのも、お呂のすりも、全部そのため」

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