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"七年後、屋上で見つかった妻の秘密" 第7話

管理事務所の壁に掲げられた枚の表彰状は誇らしげに輝き、代替わりしていくしい民たちからも「このマンションの守り神」として絶な信頼を集めていた。

だが、ごく部の古参民だけが、ある奇妙な変化に気づいていた。

シゲルが、マンションのへがる頻度が極端に激減したのだ。

以のシゲルは、の設備や架槽の点検を自ら率先してい、に度は梯子を登ってを巡回していた。しかし、1993の初を境に、設備の保守点検をすべて民の部業者へ委託するようになったのだ。

ある、理事会の役員が何気なく尋ねたことがあった。

「シゲルさん、最はの点検をご自分でされなくなりましたね。業者に頼むと費用もかかりますが」

シゲルは眉つかさず、自らの膝を軽く叩いて見せた。

「ええ……お恥ずかしい話ですが、数から膝の関節を悪くしましてね。あの急なタラップを登るのが難しくなりまして。民の皆様の全のためにも、専の業者に見てもらうのが番かとじます」

誰もが納得する、もっともらしい理由だった。

サングリーンのには、つの型架槽が並んで設置されていた。

つは、現全棟へを供しているFRP製の真しい受槽。そしてもうつは、1986の築に設置され、漏れトラブルが頻発したため1990に使用止となった、旧型の鋼板製型タンクだった。

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さメートル、幅メートル。錆止め塗料が塗られたその旧型タンクのマンホール蓋は、隅を分いアセチレン溶接によって焼き切られ、完全に密閉されていた。

いつ、誰がその蓋を溶接したのか。管理誌の記録には切の記載がなかった。ただ「老朽化につき封印」とだけ記され、に晒されたまま、の片隅に放置され続けていた。

民の誰も、そのタンクを再びけようとは考えなかった。蛇をひねれば、しいタンクから清浄ながいくらでもてくる。錆びついた鉄の塊など、の景の部に過ぎなかったのだ。

そうして、という膨なが流れた。

暦2000、。

世紀の変わり目を迎え、築が経過したサングリーンでは、規模修繕事の環として、設備全体の全面刷が管理組総会で決された。老朽化した配管の更とともに、に放置されていたあの旧型タンクを完全に解体・撤することが決定したのだ。

200047、曜。午。

ひとつないの、に解体事業者の作業員たちががった。型のガスバーナーの青い炎が、にわたってを耐え忍んできたい溶接痕を焼き切っていく。

バチバチとが散り、鋼鉄が溶ける烈な異臭が漂う。

ガコッ、と鈍い属音が響き、隅の溶接がすべてされた。

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「よし、蓋をすぞ。せーの!」

作業員の男がバールを隙に差し込み、テコの原理でい鉄の蓋を押しげた。

ギギギ……と錆びついた蝶番が鳴をげ、ぶりにのるい陽が、底れぬ暗黒の空洞へと差し込んだ。

その瞬だった。

懐灯を片に内部を覗き込んだ作業員のが、息を呑み、そのにへたり込んだ。

「う……うわあああっ!」

「どうした、何があった!」

駆け寄った現監督がライトを奪い、タンクの底を照らしした。

さメートルの暗の底。錆と乾燥した汚の堆積物のに、横たわっていたもの。

それは、ボロボロに化したの繊維に包まれた、完全に骨化したの遺骨だった。

蓋骨の虚ろな窩が、かれたマンホールの角い青空を、のの底から静かに見げていた。

200047、午分。

鹿児島県警本部に、事現からの震える声による通報が入った。

現となったサングリーンのは瞬に規制線が張られ、鑑識課員と捜査課の刑事が次々と駆けがった。駆けつけた刑事たちのに、かつて米刑事としてミキの失踪事件の捜査末尾に鉛で疑問をき残した啓太の姿もあった。今や代半ばの堅刑事となっていた啓太は、タンクの底の骨を目にした瞬、全の血が逆流するような衝撃を覚えた。

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