みかん小説
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"妻の予定表に書かれた「最終日」" 第4話

分の席

僕は探偵事務所の話番号を検索した。何度も画面を閉じたが、結局その週の昼休みに相談の予約を入れた。妻のを疑うに本に聞けばいい。では分かっていた。それでも「婚したい」と言われる瞬を先延ばしにするために、僕は別のへおを払うことを選んだ。自分のしたことを正当化したくて、相談票には「貞の能性」といたが、根拠らしい根拠は何つなかった。

事務所は駅からしれた雑居ビルの階にあった。担当の池という調査員は、僕の説を遮らずに聞き、最に「奥様が別居の準備をされているかどうかは、尾だけでは判断できません」と言った。僕はそれでもの確認を頼んだ。費用の説に署名する、のひらに汗がにじんだ。緒に暮らしたの気持ちをるために、見らぬに尾を依頼している。その事実を誰かにられたら、僕は何と言い訳するのだろう。

報告を受けたのはの午だった。池は数枚の写真を机に並べ、「確認した範囲で、奥様が特定の男性と会っている様子はありません」と告げた。駅の喫茶、古い映画館、川沿いのレストラン。写っているのはどれも紗季だった。僕は堵して、すぐに恥ずかしくなった。らない男性がいないと分かっただけで、妻の気持ちを何も理解していない事実は変わらない。

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「ただ、気になる点がありました」と池が枚を指さした。喫茶の窓際で紗季が座り、向かいにもうつコーヒーカップが置かれている。映画館の記録では、彼女が席分のチケットを買っていたという。レストランでもで来しながら名用の席を希望していた。「同者は?」と聞くと、池は首を横に振った。「調査したは、最までおです」。

僕は写真を枚ずつ見直した。どのも、昔でった覚えがある所だった。映画館は結婚に紗季が泣いた作品を見た所で、喫茶は僕が初めて彼女の両親に会うにち寄っただ。偶然とはえない。妻は何かを確かめるように、のいをで歩き直していた。僕は池に追加調査はだと告げ、残を支払った。これ以見張っても、僕がるべき答えはない気がした。

駅へ戻る途、僕は報告に写っていた喫茶のを通った。窓際の席には若い夫婦が座り、つのケーキをで分けていた。紗季と僕も昔、同じように注文したことがある。今の妻があのでつのコーヒーをに何を考えていたのか、僕には分からない。調査報告の写真より、本の声を聞くべきだったと改めてった。

帰宅、紗季は寝で古いアルバムを見ていた。僕が扉をけると、彼女は静かに閉じて棚に戻した。

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「何を見ていたの」と聞けば、「昔の写真」と答えた。「緒に見ようか」と言うと、彼女は首を横に振った。「もう見たから」。その声にりはなかった。ただ、僕のらないところでつの作業が終わったような静けさがあった。

「席買った映画の映は分かりますか」と僕は尋ねた。池が示したのは平の午の回で、映されていたのは僕たちが結婚に見た映画の再映だった。紗季が隣の席を空けていたのは、誰かを誘うためなのか、過の自分たちのためなのか。僕には判断できなかった。池は「調査で分かるのはまでです。は、ご本にしか分かりません」と言った。

僕は帰りので調査報告をき、すぐに閉じた。妻のろ姿が並んだ写真には、僕のらないが記録されている。それを見てしたりになったりする権利が、今の自分にあるのだろうか。封筒は鞄の底にしまい、これ以調べないと決めた。決しただけでは過の為は消えない。いつか本に話す必があることも、分かっていた。

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