"白米だけの夕飯を出されたので、家を出ました" 第13話
今度は義母が「ていって」と言われた
「母さん、もう別に暮らしてくれ」
その言葉を聞いた芳は、しばらく理解できなかったという。
「何言ってるの?」
「このまま緒にむのは無理だ」
「実の母親を追いすの?」
「麻子にも同じことしただろ」
芳の声が震えた。
「私のはに貸してるのよ。どこへけって言うの」
公平は答えた。
「自分で貸したんだろ」
芳は、
「私はあんたのためにここへ来た」
と訴えた。
しかし公平は言った。
「俺のためじゃないだろ」
そして、芳自が話で言った言葉を突きつけた。
《嫁がいれば私も楽できるでしょう》
その頃には、公平のでも母親への見方はきく変わっていた。
自分のを貸し、賃収入を得ながら息子夫婦のに活費ゼロでむ。
事のくは嫁。
費も嫁。
その嫁へ事を減らし、しつけだと言う。
以は、芳のをつずつ別の話として見ていた。
麻子と母親の相性が悪い。
女同士の問題。
嫁姑のさな喧嘩。
そうっていた。
でも私がいなくなったことで、全部が本につながった。
芳は、自宅へすぐ戻ろうとした。
しかし戻れなかった。
には賃貸契約を結んだ族がんでいる。
産管理会社へ相談すると、
「貸主側の都だけですぐ退してもらうことはできない」
と説された。
自分で帰れないようにした。
広告
そこへ今になって帰ろうとしても、簡単には戻れない。
。
芳は公平のマンションから駅れた古いアパートへ移った。
賃万千円。
自宅から入る万円の賃収入で、どうにか払える額だった。
引っ越しを伝ったのは、妹の代さんだった。
数。
代さんから私へ話が来た。
「麻子さん、姉さん引っ越したよ」
「そうですか」
「箱詰めしながらずっと公平の悪言ってたわ」
代さんは苦笑した。
そしてし声を落とした。
「でもね、私も姉さんに言ったの」
「何をですか?」
「麻子さんにやったこと、そのまま自分に返ってきただけでしょうって」
私は何も言わなかった。
仕返しをしたつもりはない。
芳を追いしたわけでもない。
公平へ、
「母親を追いせ」
と言ったこともない。
私はただ、あのから自分を抜いただけだ。
その結果。
公平が欲しかった、
《妻がのことを全部やり、母親とも揉めずにいてくれる活》
はなくなった。
芳が欲しかった、
《自宅から賃をもらいながら、息子ので嫁に世話をしてもらう活》
もなくなった。
私が取りげたのではない。
私が支えていた部分を、自分のへ戻しただけだ。
。
原先から連絡があった。
公平が、
「度だけ直接会って話したい」
と申し入れている。
私は迷った。
先は言った。
「私が同席します。それでも嫌なら断って構いません」
し考え、会うことにした。
言い残したことはほとんどない。
ただ。
公平自のから、度だけ聞いてみたかった。
あのを、今はどう見ているのか。
午。
法律事務所のさな会議。
かぶりに会った公平は、し痩せていた。
シャツの襟が以より緩く見えた。
公平は席へ座ると、しばらく私の顔を見た。
そして言った。
「母さんとは別に暮らした」
「うん」
「もう度と、あんなことはさせない」
私は公平の次の言葉が分かってしまった。
「だから」
公平はをげた。
「帰ってきてくれないか」
私は迷わず答えた。
「遅いよ」
広告
おすすめ作品
-
完結第15話
元夫の再婚式に招かれた私には、秘密がある
離婚から五か月後、元夫が若い再婚相手を連れ、結婚式の招待状を届けに来た。だが由美が抱く生後二か月の男児を見た瞬間、元夫の笑顔は凍りつく。 由美は離婚時、すでに妊娠していた。さらに彼女の手元には、元夫の裏切りと消えた夫婦の財産を示す証拠も残されていた。 捨てられた妻が過去を暴くだけでなく、息子とともに自分の人生と安心して帰れる家を取り戻す再生の物語。夫婦|親子関係|不倫2.6万字5 2 -
完結第10話
義母に突き落とされたので、離婚します
十九年間、義母の虐待と夫の無関心に耐えてきたさつき。妊娠中、義母に階段から突き落とされ重傷を負うが、夫は愛人と過ごし、彼女の訴えを切り捨てる。 病室でさつきが残したのは、離婚届と「あなたが守らなかったものを、私は守ります」の一文。元刑事の父と証拠を集め、義母を実刑へ、夫を失職と離婚へ追い込む。因果応報|怒り|嫁姑|修羅場1.4万字5 63 -
完結第14話
十八年勤めた売り場を追われた日、恩返しが始まった
十八年間デパ地下を支えた契約社員・千鶴は、新店長から「高齢者の代わりはいくらでもいる」と突然解雇される。 だが、毎週安い弁当を買う老人の正体は、大手食品会社の会長。かつて倒産寸前だった彼の弁当を世に広めた恩人こそ、千鶴だった。職場逆転|退職金|金銭問題|修羅場1.9万字5 0 -
完結第20話
妻の事故と、五歳の娘が見抜いた嘘
事故で下半身不随になった妻を前に、夫・大介は「僕が君の足になる」と誓う。ところが五歳の娘・春だけは冷たく「帰る」と言い、父に病室の毛布の下を見るよう促した。 そこに隠れていたのは、事故当時に妻と一緒にいた浮気相手。家族を置いて密会していた妻は、事故の賠償や介護まで夫に押しつけようとする。 幼い娘の一言で裏切りを知った父が、離婚と親権確保を決断し、娘と二人で新しい生活を始める物語。夫婦|真実|真相|親子関係2.0万字5 0 -
完結第10話
13年前に消えた娘が、元隣人のSNSにいた
2009年、自宅から忽然と消えた四歳の娘・くるみ。母のえみは、娘の部屋を十三年間そのまま残し、帰りを待ち続けていた。 失踪から十三年後、元隣人のSNSに十七歳の少女が写る。成長した娘に似た顔、同じ三日月形のあざ、そして少女の名前も「くるみ」だった。ミステリー|夫婦|真実|真相|親子関係1.6万字5 0 -
完結第20話
月30万円の親孝行は、誰の財布から?
夫から突然告げられた、義母への「毎月三十万円」の仕送り。妻・美奈子は反対せず、静かに「いいよ」と答えた。 三日後、銀行で残高四万円を知らされた夫は激怒する。だが美奈子は、二十二年間で家計へ補填した一千二百万円超の記録を並べ、「その三十万円、誰の収入から出すつもりだったの?」と問い返す。嫁姑|夫婦|介護|金銭問題2.8万字5 1 -
完結第20話
路線バスで来た父を笑った婚約者一家の誤算
娘の顔合わせに路線バスで訪れた庄三は、相手の両親から「車も持てない乞食」と嘲笑される。婚約者まで黙って見ていたため、庄三はわずか五分で破談を告げた。 しかし庄三の正体は、県下一の交通グループを一台の中古バスから築いた創業者。翌日、社運を懸けた大型工事のコンペ会場で、相手親子は上座に座る庄三と再会する。職場逆転|人生逆転|第二の人生|金銭問題2.6万字5 48 -
完結第20話
妻の予定表に書かれた「最終日」
妻の予定表に記された、結婚記念日の「最終日」。夫は離婚を疑うが、その言葉には、十四年間積み重なった妻の孤独が隠されていた。 毎年同じレストランに二人分の席を予約し、来ない夫を一人で待ち続けていた妻。彼女は今年を最後に、待つことをやめようとしていた。夫婦|真相|第二の人生2.8万字5 30