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"路線バスで来た父を笑った婚約者一家の誤算" 第14話

私怨なき落選と、冊の調査

そのの午、庄は社の扉をノックした。 「井君、しはあるかね」 「会、どうされましたか」

庄は内ポケットから通のい封筒を取りし、井社のデスクのに置いた。 表きには、達な文字で『選考辞退届』と記されていた。 「今回のバスターミナル築事の最終選考から、私は完全にれる。あとの判断は、君たち役員と現の担当者にすべて任する」

井社は目を見張った。 「会……まさか、先ほどの黒田産との個なき違いが原因ですか? それなら、会が気兼ねされる必など……」 「いや、逆だよ」庄は穏やかに首を振った。 「あの、娘の件で彼らと悶着あったのは事実だ。だからこそ、私が選考のにいれば、公正な判断の邪魔になる。彼らを個なみで落としたと世にわれてもいかんし、逆に過剰に慮して甘い判断をしてもいかん。……良いものを選ぶ。利用者のためのターミナルを造る。それだけに集してくれ」

井社は封筒と庄の顔を交互に見つめ、やがてく、々しく頷いた。 「承いたしました。会の誇りを汚さぬよう、々だけで厳正に審査いたします」

そして、の末。 運命の最終選考結果が、役員会でされた。 落選の通を受け取ったのは、黒田産だった。

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選ばれたのは、や黒田のような派な企業ではなく、元で代続く、社員名ほどのさな務『平田建設』だった。

見積額だけを見れば、黒田産の方が億円以もかった。 しかし、選考の決めとなったのは、総務部と施設管理課が丸ヶをかけてで稼いだ、冊の分い『施実績調査報告』だった。 担当役員たちは、最終候補に残った社が過に掛けた現を、軒残らず歩いて回っていたのだ。

報告の『黒田産』の欄には、酷なまでの事実がき連ねられていた。 『請け業者への代支払いが度々遅延し、現職への威圧な言が常態化している』 『隣民からの騒音・苦に対し、度も誠実な対応を取った形跡がない』 『期縮のために全対策を軽する傾向がく、仮設通のバリアフリー化に対する識が極めて希』 そして、備考欄の最には、こう記されていた。 『本社説会の当、子乗専用スペースに自社両を無断駐し、移を求めた受付職員の指示を無して威嚇した』

方、選ばれた『平田建設』の報告には、こうあった。 『着には社自らが隣民のを軒ずつ回り、丁寧な説とげを徹底している』 『事現の職のための清潔な休憩所と仮設トイレを、真っ先に確保する姿勢が請けからもく評価されている』 『の駅歩事の際、子利用者のために毎自発に迂回スロープの清掃をっていたことを、隣民が今も記憶している』

井社は報告を閉じ、役員たちを見回して静かに告げた。

「このターミナルを利用するのは、々の切なお客様です。を切にできない会社に、お客様の全を預けるわけにはいきません」 満致の決定だった。 庄が言の添えもせず、指も触れずとも、黒田産が積みねてきた「傲の歴史」そのものが、彼らの未来の扉を自ら閉ざしたのである。

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