みかん小説
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"雪の空港で消えた四人と第七格納庫" 第1話

クリスマスイブ、最の着陸

19891224、は夕方から激しいに覆われていた。斗空港の滑では除が休みなく往復し、ターミナルのきな窓には湿ったが貼りついていた。欠航や遅延をらせるアナウンスが繰り返される、京発447便は予定よりく遅れ、午947分、ようやくく煙る滑へ着陸した。

内では、乗客がほっとした表で荷物を抱え、次々とボーディングブリッジへ向かっていた。最のを見送ったあと、の客乗務員だけが静かになった内に残り、座席や化粧を確認しながら自分たちの荷物をまとめ始めた。い勤務を終えた堵と、クリスマスイブを仕事で潰してしまった疲労が、の顔には同じように浮かんでいた。

チーフパーサーの宅順子は32歳だった。の幼い子どもは実で祖母と緒に待っており、順子は「遅くても半には帰る」と話で約束していた。計を見るたびに眉尻をげ、「ケーキ、もうべちゃったかもしれないな」と苦笑したが、それでも制の襟をえ、最まで乗務員らしい落ち着きを崩さなかった。

28歳の佐藤理は翌に結婚を控えていた。には婚約指輪があり、座席のポケットから雑誌を抜きながら、「健、絶対チキンを温め直しすぎてる」

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と笑った。婚約者の健は札幌内のアパートで夕を用し、計を気にしながら理の帰りを待っていた。

26歳の奈はので最も若かった。航空会社に入ってまだあまりで、この夜も仕事が終われば友たちとすすきので流する予定だった。内に流れていたクリスマスソングにさくをわせると、31歳の森田さゆりが「まだ遊びにく元気があるの」と呆れたように笑った。

さゆりは数こそなかったが、仕事は几帳面だった。最まで化粧の備品を確かめ、忘れ物がないことを確認してから、「これで終わり」と帳を閉じた。は普段から同じ線に乗ることがく、勤務に事をしたり、誕を祝ったりする程度には親しい関係だった。

午104分、防犯カメラにはが乗務員用の更へ入っていく姿が残っている。23分には制から私へ着替え、それぞれ宿泊用のバッグやコートをにして廊へてきた。シャッターのりた売と、照の落とされた搭乗のを通り、は何かを話しながら笑っていた。

午1031分。

従業員専用入のカメラが、がへていく姿を記録した。

順子が先を歩き、理がその隣に並び、奈とさゆりがし遅れてついていく。吹を避けるように肩をすぼめながら、それでもはごく普通の仕事帰りの女性にしか見えなかった。

その映像が、のきた姿を捉えた最の記録となった。

約の午1147分、除設備を確認していた空港のメンテナンス作業員が、従業員用駐の端で台のいホンダ・アコードに気づいた。激しいの、ヘッドライトがついたままで、エンジンも止まっていない。

運転席のドアはいていた。

さらに助席も、部座席のつのドアもけ放たれていた。

内には分のハンドバッグが残され、財布も化粧品も鍵もそのままだった。座席のには順子が子どもへの産として買ったさな包みさえ落ちていた。

そしての脇ののには、女性用の靴が、ばらばらに残されていた。

誰かがをりた跡は吹でほとんど消えている。

の姿だけが、どこにもなかった。

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