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"雪の空港で消えた四人と第七格納庫" 第2話

のに消えた

通報を受けた警察は、真夜にもかかわらず空港周辺へ数の捜査員を投入した。吹はさらにまり、駐からへ延びる跡も、タイヤ痕も、いで次々とに埋もれていった。警察犬はの持ち物から匂いを取ったものの、駐の側付で何度もきを止め、その先へめなくなった。

夜がけるとヘリコプターがび、空港周辺の林や空き、事現、調池まで捜索された。ダイバーも員され、ボランティアを含む数百がのを歩いたが、につながる物は何つ見つからなかった。かられた形跡さえ曖昧だったことが、捜査員たちを何より混乱させた。

誘拐なら、なぜ全員のバッグが残されていたのか。自分たちので姿を消したのなら、なぜエンジンをかけたのドアを枚ともいたままにし、真ので靴まで脱ぎ捨てたのか。さらにが同に失踪する理由もなく、それぞれの族や恋との関係にもきな問題は見つからなかった。

順子の母親、宅恵子は何度も警察へ同じことを言った。「あの子は、子どもを置いてどこかへくような母親じゃありません」。歳と歳だったの子どもは、母親がクリスマスの朝になっても帰宅しない理由を理解できず、玄関の音がするたびにちがっていた。

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理の婚約者である健も、警察から事を聞かれるずっと婚約指輪のことを話していた。「結婚をやめたいなら、それでも構いません。でも理なら絶対に話をします。何も言わずに消えるじゃない」。彼の部にはえ切った料理と、で切るはずだったクリスマスケーキが残っていた。

奈の族は翌朝から札幌へ駆けつけた。弟の直は当まだ学で、空港のロビーで「姉ちゃん、どこかで迷ってるだけじゃないの」と繰り返した。しかし数、航空会社のロッカーから奈が友たちのために用していたプレゼントが見つかったことで、その言葉をにすることもなくなった。

さゆりだけは族との関係が複雑だった。で働くことに反対していた両親とは疎になっていたものの、妹の弓とは密かに連絡を続けていた。失踪の話で、さゆりは「今はクリスマス当に話するから」と約束していたという。

の座にきはなかった。クレジットカードも使われず、航空券やフェリー、ホテルの利用記録もない。代の求もなく、犯声もなく、目撃証言さえ決定打にはならなかった。

捜査では、が空港をた直に部の何者かに襲われた能性が最も力とされた。しかし、つだけ奇妙な点があった。

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は従業員専用駐のかなり奥に止まっていた。夜、その所へ入れるのは空港職員か、事に許を受けた関係者に限られていたのである。

当の若い巡査だった柴田郎は、その事実がずっと気になっていた。

「から来た犯なら、どうしてあそこまで迷わず入れたんだ」

だが捜査本部は、空港周辺のや町へ掛かりを求めることを優先した。

数かが過ぎ、が過ぎた。

聞からの写真が消え、テレビ番組で扱われる回数も減っていった。それでも族たちは毎1224に集まり、さな追悼の会をいた。を諦めたわけでも、を受け入れたわけでもない。ただがいたという事実だけは、世から消させたくなかった。

1995、斗空港は空港への能移転に伴って閉鎖された。

建物のくは再利用や解体の対象となったが、敷端にあった第7格納庫だけは権利関係と再発計画の遅れから取り残された。

その古い格納庫の壁の内側で、はなお待ち続けていた。

誰にも気づかれないまま、さらに。

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