みかん小説
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"月30万円の親孝行は、誰の財布から?" 第19話

筒とさなおにぎり

曜の朝。 午のキッチンには、よい汁のりが漂っていた。 私が女のと男の陸のお弁当を作っていると、寝から着替えを済ませた達也がりてきた。 そのには、昨自分でホームセンターで買ってきた、保温能付きの黒いステンレス筒が握られていた。

「おはよう、美奈子」 「おはよう。いじゃない」 達也は照れくさそうに笑いながら、キッチンの流し台へやってきて、自分で筒にい麦茶を注ぎ始めた。 「今から、コンビニで百円のペットボトルを買うのをやめるんだ。計算したら、平に毎本買ってたから、それだけで千円浮くんだよな」

「あら、経理担当者みたいな調ね」 私が笑うと、達也は「おに弟子入りしたんだよ」と苦笑いした。 私はさめのアルミホイルを広げ、炊きたてのご飯に自製の梅干しを入れ、塩を振って角に結んだ。 「はい、これ。おにぎりつ」 「ありがとう! 助かるよ」 達也はおにぎりをおしそうに受け取り、通勤鞄の奥へと丁寧にしまった。 毎千百円のランチをべ、輩に盤振るいしていた営業課が、作りのおにぎりと筒を持って勤する。 それは、見栄という名のたい鎧を脱ぎ捨てた男の、清々しい第歩だった。

朝の席で、達也は向かいに座るに向き直った。

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「」 がし警戒したようにスプーンを止める。 達也は居まいを正し、父親としての真摯な目を娘に向けた。 「期講習の申し込み用、見たよ。……万千円、お母さんが振り込んでくれた。頑張って志望、目指せよ」

は驚いて目を丸くし、それから私の顔をチラリと見た。私が優しく頷くと、の顔にパッと輪の笑顔が咲いた。 「お父さん……ありがとう! 私、絶対に格するから!」 「ああ、応援してるぞ。……陸も、今週末の征、しっかり打ってこいよ」 「うん! 俺、レギュラー取ってみせるよ!」

子供たちのるい声が、朝のダイニングを満たしていく。 計の真実を隠し、で苦しんでいたには決してまれなかった、本物の族の温もりがそこにあった。 おの痛みを分かちうからこそ、応援の言葉にも血が通うのだ。

午半、達也は「ってきます!」と元気な声を残して玄関をていった。 その背は、以のような尊な威圧ではなく、にの着いた、誠実なの父親の背だった。

そのの昼休み、私のスマートフォンに、義母からLINEが届いた。 『美奈子さん、達也から今朝、話がありました。 「母さん、俺の遣いから毎万円送るから、これで膝の注射と灯油代に使ってくれ。無理は絶対にするなよ」って、泣きそうな声で言っていました。 美奈子さんのおかげです。

本当に、ありがとうね』

窓のを見げると、初の青空がどこまでもく、澄み渡っていた。 私の胸のにあったの澱は、完全に消えっていた。

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