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"13年前に消えた娘が、元隣人のSNSにいた" 第7話

の虚飾と自

田警察署の取調。い防音扉の奥で、武田竜はパイプ子にく沈み込み、机のに置かれたコップのめた緑茶をじっと見つめていた。

向かいには、緊急配備で静岡へ駆けつけた神奈川県警の野警部補と、元のベテラン刑事が座っていた。

「武田。もう言い逃れはできんぞ。本籍の戸籍を照会した。おの戸籍には、実子はおろか、養子縁組の記載すら切ない。あの女の民票は、どうやって偽造した」

野の鋭い追及に、武田は乾いた唇を震わせ、ぽつりぽつりと語り始めた。

「……全部、俺がやりました。志保は……妻は関係ありません」

の。あのの真実が、男のからのに晒されていった。

武田と妻の志保は、結婚して以、妊治療の苦痛に苛まれ続けていた。額の費用を注ぎ込み、幾度もの挫折を繰り返し、庭内はえ切っていた。そんな、隣のにまれたくるみは、武田夫婦にとって眩しすぎるほどの幸福の象徴だった。

「毎、垣の向こうから聞こえてくるあの子の笑い声が……俺たちを狂わせたんです」

武田は両で顔を覆った。

「あの、さん夫婦が夕涼み会にかけるからと、留守番のシッターとくるみちゃんの様子を見てやってほしいと頼まれました。……最初は、本当に見守るだけのつもりだったんです。

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でも、リビングを覗いたとき、シッターの女の子が台所で麦茶を用していた。……魔が差したんです。持っていた眠導入剤の末を、シッターのコップに混ぜました」

シッターが昏したのを確認し、武田は子供部のベッドですやすやと眠っていた歳のくるみをタオルケットで包み、裏庭の戸から自宅へと運び込んだ。

「すぐにに乗せ、親戚が持っていた梨の空き別荘へ隠しました。警察が隣のを取り囲み、騒ぎになっているのを見ながら……もう戻りはできないとった。ヶ、を投げ売り同然で処分して、伊豆へ逃げました」

「奥さんは、その事実をっていたのか」

刑事が問うと、武田は首を横に振った。

「最初は、親戚の孤児を引き取ることになったと嘘をつきました。でも……あの子が『お母さん』と呼んで泣き叫ぶ姿を見て、志保はすぐに気づいたんです。隣のくるみちゃんだと……。志保は罪悪に耐えきれなくなって、もしないうちに精神を病んでをてきました。それ以来、俺がで育ててきたんです」

「なぜ、通報される危険を冒してまで『くるみ』という名を使い続けた」

野の問いに、武田は歪んだ自嘲の笑みを浮かべた。

「偽名を使おうとしました。『美咲』とか『菜々子』とか……でも、あの子は歳でした。自分の名をしっかり覚えていたんです。

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違う名で呼ぶと怯えて泣くんだ。『私はくるみだよ』って……だから、名だけは変えられなかった。その代わり、両親は交通事故でんだと、物つくから繰り返し言い聞かせました」

「馬鹿者が……」

ベテラン刑事が机を拳で叩いた。

「おがやったことは、などではない。ただの勝な略取誘拐だ。あの子の両親がこの、どんな獄をきてきたか、考えたことがあるのか!」

武田は肩を震わせて泣き崩れた。

「俺は……あの子に自由はさせなかった! 学にも通わせた、ウェイクボードも習わせた、実の娘のようにしたんだ!」

「その『』のせいで、あの子のの根幹が完全に破壊されたんだよ!」

方、警察署の児童保護面談。

くるみは児童理司と女性警察官のに座り、両膝を抱えて直していた。

机のには、えみが持参したあのデジタルカメラから印刷された、数枚の写真が並べられていた。

ハローキティのベッド、ピンクの壁、のステッカー、そして、歳の自分が満面の笑みで抱きついている見らぬ女性——えみの姿。

「嘘……嘘よ……」

くるみの指先が、写真ののベッドカバーの模様を震えながらなぞった。

記憶の奥底、分いの向こう側に封印されていたはずの覚が、鮮烈なフラッシュバックとなって脳裏に蘇る。

柔剤の甘い匂い。

お母さんの温かいのひら。夜、眠るに読んでもらった絵本の声。

「私……この部、ってる……」

女の瞳から、粒の涙がポロポロと写真のに零れ落ちた。自分が信じてきた「優しい父親」と「平穏な活」が、真っ赤な嘘のに築かれた砂の楼閣であったという残酷な現実が、歳の女のを々に打ち砕いていた。

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