みかん小説
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"金色の髪を隠して嫁いだ私と、無口な写真師の約束" 第14話

を越えて来た返事

の初め、写真館に国の切が貼られた封筒が届いた。子は差の名を見た瞬、帳の子に座り込んだ。エドワード・グレイ。父の字を最に見てからかくが過ぎ、返事は来ないのかもしれないとい始めていた。湊は子にを持ってきたが、封筒には触れなかった。子はしばらくのでを温めるようにしてから、丁寧に封を切った。

はく、子が自分だけで読める部分はなかった。松田に訳してもらうと、父は英国のさな町で学の事務をして暮らしているという。本へ戻ろうとした期もあったが、澄のをり、娘の居所を尋ねるにも返事がなく、やがての名で娘がくなったというらせが届いた。父はそれを信じられず、何度か確かめようとしたが、返ってきたもあったと記していた。

「私はおまえのそばにいなかった。それを、事があったという言葉で消すことはできない」。松田がその文を訳すと、子は目を閉じた。父は自分を忘れたわけではなかった。しかし緒に暮らしてくれなかったも確かにあった。子は父を度に許したり、理のにしたりする必はないとった。くの父も、くの叔母も、それぞれに自分の選択をしてきたなのだ。

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にはさな写真が同封されていた。髪の混じった父が、古いのでっている写真だった。裏には英語で「これが今の私です」とかれ、さらに「おまえの髪は、私の母の髪と同じだ」と続いていた。子は写真をに透かし、自分の顔のどこが父に似ているのか探した。眉の形と、しがった目尻が似ている気がした。

には、父が本語を分に話せなかったために、澄とので何度もき違いがあったこともかれていた。帰国を決めたとき、すぐに戻れると軽く考えていたとも認めていた。子はその節を読み、胸が痛んだ。父が自分をしていたとしても、幼い娘と母が残された事実は変わらない。それを忘れずにを続けたいとった。

父は、澄が子の名をつけた理由もいていた。まれた夜、病の窓からが見え、澄は「この子がどこにいても、自分のを見失わないように」と願ったという。子は母の青い布をいした。母が自分に残したものは、完成しなかっただけではない。名も、髪を梳いたも、くへ送ったも、しずつ今の自分につながっていた。

子は父へ返事をいた。会って話したいことはあるが、すぐに国へくことはできないこと。写真館で働き、初めて自分の写真を撮ってもらったこと。

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母のことをるに会い、毎しずつ過を確かめていること。最に、父のを読んでうれしかったといた。言葉を飾らずにくと、ったよりいになった。

湊はその夜、子に枚の封筒を渡した。には、彼女が窓辺で撮ったカラー写真の焼き増しが入っていた。「お父さんに送るなら、これを使ってください」。子は驚き、「でも、費用がかかったでしょう」と言った。湊は帳簿をき、写真の代を子の賃から払うか、の記写真として扱うか、どちらでもよいと説した。子は自分の賃から払うことにした。

松田は翻訳の礼を受け取ろうとしなかったが、子は写真館で撮った松田夫妻の写真を贈ることにした。が庭の縁側に並んだ写真で、奥さんは恥ずかしそうに笑っている。松田は「エドワード先も、あなたが写真を撮っているとればぶでしょう」と言った。子はその言葉を聞き、父に自分の仕事を伝えるのがし楽しみになった。

翌朝、子は写真を父へのに入れた。写真の裏には、湊の字ではなく、自分の字で「昭、歳の私」といた。昔の自分なら、の髪が写った写真を国へ送ることさえ怖かっただろう。今は父がどううかより、自分がこの姿できていることを伝えたかった。

封筒を閉じると、窓から差し込む朝のが髪のに落ちた。

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