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"金色の髪を隠して嫁いだ私と、無口な写真師の約束" 第15話

育てた、奪った

父の返事が届いたことを、子はに伝えるべきか迷った。叔母は娘がんだとらせた理由をまだ説していないし、送のことも曖昧なままだった。湊は「話すかどうかはあなたが決めてください」と言ったが、子はいつまでも避けているわけにはいかないとった。自分の過を確かめるために、今度は叔母と正面から話す必があった。

子は初枝に同席を頼み、のを訪ねた。はを見ると警戒したが、子が父のと送の話をしたいと言うと、奥の部へ通した。子は最初に、育ててもらったことへの謝はあると伝えた。そのうえで、髪を化け物と呼び、父からのを隠したことは別の問題だと話した。は何度もを挟もうとしたが、初枝が「最まで聞いてあげて」と静かに制した。

は古い箪笥から帳面を取りした。そこには父から届いた送の額と、の賃、費、子の学用品などが混じって記されていた。子はつずつ確かめ、父のが活費に使われたことをった。しかし帳面には、の夫が残した借の返済も同じ欄にかれていた。子のためのとのためのは、い区別されていなかった。

「私はあんたをわせた。学にもかせた。それが悪いことかい」

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。は声を荒げた。子はすぐには答えず、帳面のに自分の縫い物の売りげが記されているのを見つけた。歳の頃から伝っていた仕事は、の収入になっていたが、子に賃として渡されたことはなかった。「私もこので働きました。そのことを、なかったことにしないでください」。

は顔を伏せ、い沈黙のあとで話し始めた。澄がくなった頃、は借で潰れかけていた。国の子を引き取ったと所に言われるのが怖く、子の髪を隠せば普通の娘として暮らせるとったという。父の送が届くたび、はをて直すに使い、いつしかそれを自分の権利だと考えるようになった。娘がきていると父にられれば、引き取られてしまうのではないかという恐れもあった。

「だからんだといたんですか」。子が尋ねると、は頷いた。「あのときは、それしかないとった」。子はその答えを聞いても、納得できなかった。叔母には叔母の苦しさがあったのだろう。しかしそれを理由に、父と娘のに嘘を置いてよいはずはない。子は帳面を閉じ、「私はきています。叔母さんが何を怖がっても、それは変わりません」と言った。

初枝の勧めで、は送との収支を別々に理することにした。古い記録には抜けがあり、すべての額を確かめることはできない。

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それでもは、の借に回した分の部をしずつ返すと約束した。子は返済よりも、今自分の名で勝な約束をしないことをく求めた。は満そうだったが、片桐への許をいたのは自分だと認めた。

帳面を理すると、父からの送が届いたと、の借を返したがなっていた。子は度に全額を求めることはしなかったが、に今の返済額をにいてもらった。初枝が控えを預かり、がそれぞれ同じ内容を持つことにした。約束だけで曖昧にされてきたことを、今度は残る形にしたかった。

帰り、子は初枝に「許した方がいいのでしょうか」と尋ねた。初枝はし考え、「今すぐ決めることじゃないよ」と答えた。子はその言葉に救われた。育ててもらったも、傷つけられたも、どちらも消すことはできない。これからの距を決めるのは、叔母のためではなく自分のためでいいのだとった。

写真館に戻ると、湊がしいの見積を広げて待っていた。移転費用は当初よりしくなり、しのの息子はの契約を結んでもよいと言っている。子は父のと帳面の写しを自分の引きしにしまい、見積の隣に座った。過のことを確かめる仕事は終わっていない。それでも、からの暮らしを作る仕事を止めたくはなかった。

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