みかん小説
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"金色の髪を隠して嫁いだ私と、無口な写真師の約束" 第18話

誰のための写真か

展示の翌週、元にさな記事が載った。見しは「町の働くを写す若い写真師」で、子の髪については最にく触れられているだけだった。記事にはしののと文代の堂の写真が並び、展示に協力したたちの名が記されていた。子は聞を読み、胸の奥に静かなびが広がるのをじた。誰かの珍しいものとしてではなく、自分の仕事として紹介されたのは初めてだった。

ところが、片桐はまだ諦めていなかった。観振興会の会で、子の写真が町の宣伝に使えなくなったのは写真館のわがままだと話していたという。さらに、見本の葉をすでに何かへ配っており、そのには子が曜に撮に応じるという偽の案内も残っていた。写真館にはらないから問いわせが続き、子は仕事のを止めて説しなければならなかった。

湊は会の記録を確認し、商会の世話役に相談した。世話役は片桐とも付きいがかったが、印刷所の注文と子の断りのを見ると、事を理解した。子は自分も話しいにたいと申した。湊は瞬配そうな顔をしたものの、今度は止めなかった。は展示に協力したたちの承諾も持参し、写真館が普段から許を確かめていることを説する準備をした。

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世話役は、写真館が移転した事についても尋ねた。湊は主との話しいを記した帳を見せたが、片桐が主に何を言ったかまでは分からないと説した。子は推測だけで相を責めたくなかった。確かめられる事実に絞ることで、話しいが別の争いへ広がるのを防げるとった。

話しいの席で、片桐は「町を盛りげたかっただけだ」と繰り返した。子はその言葉を否定せず、「町のためなら、そこに暮らすの気持ちも聞いてほしい」と答えた。片桐は「若い娘の気分で商売が止まる」と言いかけたが、世話役が注文を示した。「本の許がないのに、撮会の予定まで印刷するのは無理がある」。原も同席し、見本を配布した数と、まだに残るの枚数を説した。

子は片桐につのことを求めた。見本を配った先へ、公撮はわないとらせること。写真の複写や販売をしないこと。今、本と撮者の許しなく写真を使わないこと。片桐は最初、面子を失うと渋ったが、世話役が町の信用に関わると告げると、ようやく同した。子は謝罪の言葉を無理に引きそうとはしなかった。必なのは、同じことが繰り返されない約束だった。

話しいが終わると、片桐は子を廊で呼び止めた。「そんなに髪を隠したくないなら、もっと目てばいい。

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世のはきれいごとだけじゃかない」。子はしばらく彼を見つめ、「目つことを嫌がっているんじゃありません」と答えた。「何を見せるか、自分で決めたいんです」。片桐は何も言わず、にした子を直してっていった。

その帰り、子は川辺へ寄った。に髪を洗っていた浅瀬は、のでしくなっていた。湊は川のに腰をろし、子が話し始めるのを待った。「あの頃、誰にも見つからないようにここへ来ていました」。子は面を見ながら言った。「今は、に見られることより、勝に決められることが怖いんだと分かりました」。湊はうなずき、「写真を撮るときも同じです」と答えた。

子は鞄からの写真を取りした。あのの自分はろ姿しか写っていないが、肩の丸め方で何を恐れていたかが分かる。湊はもう度、許しなく撮ったことを謝った。子は写真を封筒に戻し、「これは私の元に置いておきます」と言った。今の自分の写真は、いつか自分の志で選んで飾りたい。そのときは、誰かの珍しさを売るためではなく、今まできてきた自分を残すために。

帰宅、子はの窓に貼っていた「公撮はありません」というをした。片桐の側から訂正のらせがされ、問いわせも減り始めていたからだ。

代わりにしいの業案内を貼り、そこには「撮のご相談は、どなたでも」といた。子は自分の名を番に記し、の角を丁寧に押さえた。今度は誰かが決めた役割ではなく、自分が引き受ける仕事のための案内だった。

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